最新記事

アジア

格差の広がる韓国で財閥が冬の時代に

Chaebol Faces Criticism for the Poor's Misery

金融危機後も海外市場で業績を伸ばしてきたサムスン、現代などの財閥に、取り残された国民から怨嗟の声が

2011年10月28日(金)14時05分
長岡義博(本誌記者)

「自動車や携帯電話のおかげで国外では尊敬されているが、国内では社会の敵扱い」と先週、米ニューヨーク・タイムズ紙が報じるほど、韓国で財閥批判が高まっている。

 サムスン、LG、現代など韓国の財閥企業は08年の金融危機以降、欧米や日本企業を尻目に外国市場で売り上げを伸ばしてきたが、その一方で国内の格差は拡大。昨年のOECD調査では、貧困層の貧しさの深刻度を測る貧困ギャップ率がワースト4位、人口10万人当たりの自殺率は21・5人で最悪だった。

 教育費をつぎ込んでも、名門大学を卒業して安定した財閥企業に入れるのはわずか。広がる格差とインフレで負け組には財閥への妬みに似た感情が広がり、現代自動車グループ鄭夢九(チョン・モング)会長は先月、低所得家庭の子供たちの教育に私財5000億ウォン(約355億円)を寄付すると発表。政府も、金持ち減税と呼ばれた法人税・所得税の最高税率引き下げの撤回を余儀なくされた。

 来年12月の大統領選では格差是正が争点になるだろう。政策面で優遇されてきた韓国財閥が、冬の時代を迎えるかもしれない。

[2011年9月28日号掲載]

ニュース速報

ビジネス

不具合の787型機エンジン、全機の部品交換には2―

ビジネス

マクロン仏経済相、30日に辞任表明へ=関係筋

ビジネス

米労働市場は完全雇用に近い、利上げは経済次第=米F

ワールド

アップル向け課税めぐる欧州委の決定に不服=アイルラ

MAGAZINE

特集:トランプの黒歴史

2016-9・ 6号(8/30発売)

アメリカ大統領選を揺さぶり続けるトランプ──。「不動産王」が語りたがらないビジネスの汚点とは

人気ランキング

  • 1

    インドネシアが南シナ海に巨大魚市場──対中強硬策の一環、モデルは築地市場

  • 2

    中国で性奴隷にされる脱北女性

  • 3

    中国、安倍首相のアフリカ訪問を警戒――日本を常任理事国入りさせてはならない!

  • 4

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 5

    G20と「人民の声」の狭間で――中国、硬軟使い分け

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    「ブルキニ着用禁止法は違憲、国内の緊張高める」仏カズヌーブ内相

  • 8

    「キンドル読み放題」の隠れた(けれども大きな)メリット

  • 9

    黒人射殺事件の連鎖を生む元凶は

  • 10

    キルギスの中国大使館に自動車が突入し爆発、自爆テロか

  • 1

    フィリピンのドゥテルテ大統領が国連脱退・中国と新国際組織結成を示唆

  • 2

    中国で性奴隷にされる脱北女性

  • 3

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 4

    オリンピック最大の敗者は開催都市

  • 5

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 6

    歯磨きから女性性器切除まで、世界の貧困解決のカギは「女性の自立」にある

  • 7

    日本の貧困は「オシャレで携帯も持っている」から見えにくい

  • 8

    イタリア中部地震、死者少なくとも159人 多くは休暇シーズンの観光客か

  • 9

    イタリア中部地震で37人死亡、市長「生き物の気配がしない」

  • 10

    実情と乖離した日本の「共産主義礼賛」中国研究の破綻

  • 1

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 2

    中国衝撃、尖閣漁船衝突

  • 3

    戦死したイスラム系米兵の両親が、トランプに突きつけた「アメリカの本質」

  • 4

    海保の精神は「正義仁愛」――タジタジの中国政府

  • 5

    フィリピンのドゥテルテ大統領が国連脱退・中国と新国際組織結成を示唆

  • 6

    日銀は死んだ

  • 7

    【原爆投下】トルーマンの孫が語る謝罪と責任の意味(前編)

  • 8

    トランプには「吐き気がする」──オランド仏大統領

  • 9

    イチロー3000本安打がアメリカで絶賛される理由

  • 10

    競泳金メダリストの強盗被害は器物損壊をごまかす狂言だった

 日本再発見 「世界で支持される日本式サービス」
 日本再発見 「世界で支持される日本式サービス」
アンケート調査
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

芸人も真っ青? 冗談だらけのトランプ劇場

小幡 績

日銀は死んだ

STORIES ARCHIVE

  • 2016年8月
  • 2016年7月
  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月