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同盟破壊、関税乱発の果てに...米国民は「最高破壊責任者」トランプを支えるのか?

ILLUSTRATION BY DANNY OLIVA/SHUTTERSTOCK
<かつてない破壊力で国際秩序と国内制度を揺るがすトランプ。彼の行動はますます過激さを増すが、その先に待つのは──>
もう10年になる。外野席にいたドナルド・トランプが米共和党の大統領候補を決める予備選への出馬を表明したのは2015年の6月。
以来、彼はアメリカがグローバル経済の守護者であり、かつ先進民主主義諸国に安全の保障を提供してきた時代を終わらせるべく奮闘してきた。
アメリカ合衆国が(約250年前の建国の父たちの意を受けて)守ってきた世界に冠たる三権分立のシステムも、どうやら2期目のトランプ政権で葬り去られる運命のようだ。
こうも乱暴に国際秩序をひっくり返し、合衆国の政治システムをぶち壊すことが、なぜ可能だったのか。
アメリカの現状に関して、トランプは「その原因ではなく症状の1つにすぎない」といった話を聞くたびに1ドルずつためていたら、今ごろ私は億万長者になっていた。だが陳腐な言い草にも、時には真実が含まれているようだ。
今世紀における最強の政治家として既存の規範を破壊し続けるトランプの姿には、容赦なきグローバリゼーションの加速(と、その結果としての地位喪失)にうろたえる多くのアメリカ人の心理が投影されている。
ウクライナやガザの戦争、西側の軍事同盟、関税などに関する彼の政策、そして官僚機構と名門大学に対する猛攻撃を理解し、その先を予測するには、1989年から93年のわずか4年間に起きた世界の激動(ソ連の崩壊、東西ドイツの統一、人口大国インドと中国の経済政策における改革開放、そしてEUの発足)がアメリカ人にもたらした深刻な心理的動揺を理解しなければならない。
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