Picture Power

【写真特集】南アフリカのフードデリバリーは命懸け

GHOST RIDERS

Photographs by JAMES OATWAY

2022年06月28日(火)14時30分

雨が降る夜にバイクを走らせる配達員。雨の日は道路が滑るため事故が起きやすい

<南アフリカでもフードデリバリーは急拡大しているが、個人事業主である配達員は搾取されやすく、事故や強盗に遭うことも日常茶飯事>

コロナ禍で外食控えが進むなか、世界中でパンデミックのように急拡大してきた事業がある。食事や食料品をネットのアプリを介して注文・宅配するフードデリバリーだ。

白人富裕層とその他の間で経済格差が広がる南アフリカも、例外ではない。食品宅配の需要急増に合わせて、ウーバーイーツのような大手や地元発の各事業者が大勢の配達員を採用している。ヨハネスブルクなどの都市では、配達員の大多数がコロナ禍で職を失った近隣諸国からの移民だ。

一方で、こうした配達員はアプリを利用して働く個人事業主であり、雇用主という後ろ盾がないため、搾取されやすい環境にある。犯罪率が高い南アフリカでは、配達中に死傷事故や強盗に遭うことも日常茶飯事だ。しかし、被害を事業者に報告すればアプリから自動的に締め出されてしばらく働けなくなるため、報告することもままならない。

写真家ジェームズ・オートウェイが映し出したのは、今日も誰かの食事を配達する彼らの、命懸けの日常だ。

ppdeliver02.jpg

ヨハネスブルクの中でも富裕層が多いサントン地区で、信号無視の自動車にひき逃げされ重傷を負ったコンゴ人の配達員


ppdeliver03.jpg

配達員のレベッカは、幼い子供を育てる母親でもある。配達員の仕事は働く時間が比較的自由なので、子育てには都合がいい面も


ppdeliver04.jpg

仕事に出掛ける前に毎日、靴を磨くのが日課だという配達員のポール。完全歩合制のため、多くの配達員は週7日、長くて1日16時間働く

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた

ワールド

マレーシア、対米関税交渉で「レッドライン」は越えず

ビジネス

工作機械受注、6月は0.5%減、9カ月ぶりマイナス

ビジネス

米製薬メルク、英ベローナ買収で合意間近 100億ド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story