コラム

「103万円の壁」見直しではなく「壁なし税制」を...金持ち優遇をなくす「3つの方法」

2025年02月02日(日)14時25分

現在の社会保障制度では、労働時間が週20時間以下の社員、従業員が50人以下の企業、などと線引きされているため、その線を超えないように働き控えする人もいれば「働かせ控え」や「雇い控え」する企業もある。もったいない!

もう分けないでいこう。全員同じ制度にまとめて、徴収も管理も窓口を一元化する。今の社会保険にみられる労使折半を維持してもいいけど、バイト代も含めて、全ての賃金に適応しよう。

自営業、フリーランスの方は全額負担になるが、もちろんそれは、提供している商品やサービスの値段に盛り込んでいいはず。所得のない人は当然公金で補助することになるが、それは現行制度と大して変わらない。

もっとシンプルにするなら、労使折半をやめて、以前から議論されている「税と社会保障の一体改革(本当の意味での)」を目指してもいいかもしれない(税収の問題を考えなければいけないけど)。そこにスロープ式課税を加えれば、僕も賛成だ。

とにかく、国民の間の隔たりをなくして制度も手続きも簡略化しよう。もったいない!も、面倒くさい!もなくそう。

そして、大胆に、控除もなくそう!

控除は高所得者ほど節税になる...いいのか?


いやいや「みんなが税金を払う!」とか「控除もなし!」とか、そんなキャッチコピーじゃ、絶対に売れないね、この案は!と、また突っ込まれそう。だが、やはり最後まで聞いてください。

現行制度にある、配偶者控除、扶養控除、医療費控除、ひとり親控除、寡婦控除などの狙いは素晴らしいと思う。国の支えが必要な時はもちろんある。だが、その目的達成のためには「控除」という形がベストな策ではない。

例えば、子を持つ親を応援したい!という思いは素晴らしい。それで、扶養親族の控除が設けられ、子供1人当たり38万円の所得が非課税になっている。だが、これでは親の所得税率次第で応援の度合いが変わるのだ。

例えば、課税所得が890万円で所得税率23%の人にとって、この控除で8万7400円の節税ができる。一方、所得が189万円で税率5%の人は1万9000円だけ。子育て中の低所得者が一番政府の助けを必要としているはずだが、収入が4倍以上の方を政府が4倍以上応援している形だ。間違った「推し活」ではないか。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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