コラム

映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世界的ヒット その背景にあるものは?

2025年08月30日(土)11時00分


「Takedown」は攻撃的なビートとラップが印象的な曲で、こちらはTWICEのジョンヨン、ジヒョ、チェヨンが歌うエンドクレジット・バージョン Sony Pictures Animation / YouTube

NewJeansの不在も影響?

今やすっかり大衆的なジャンルとなったK-POP。その中心となる支持層の年齢をさらに下げたのがNewJeansだ。2022年にデビューしたこのガールズグループは、キュートなビジュアルやハイクオリティなサウンドに加えて、ローティーン以下のリスナーも味方につけたのが何よりも強かった。この件に関してアメリカの事情に詳しいライターに聞くと、「現地の子どもたちに圧倒的な人気のある『パワーパフガールズ』とコラボレーションしたことが大きい」という。だが、ご存じの通り、現在の彼女たちは表立った活動はしていない。

いささか前置きが長くなってしまったが、このようなNewJeansの不在から生まれた渇望感とK-POPをもっと知りたいローティーンの欲求をジャストなタイミングで補ってくれたのが『K-POPガールズ!』だったと考えると、世界的なヒットも納得できるのではないだろうか。スリムに見えて実は鍛えぬかれた身体、アーティストにとって大切なファンダムの存在、非の打ちどころがないように見えて実はコンプレックスがある登場人物たちなど、"K-POPらしさ"が凝縮された本作品は、この時期に公開したからこそ絶大な支持を得たと見ている。

正直に言ってしまうと、公開直後はここまでヒットするとは予想していなかった。かつて一世を風靡したイギリス発の女性5人組(のちに4人組)・スパイスガールズは、ティーンの人気を受けて主演映画を制作したことがあったが、商業的には失敗。だが、これは実在するグループに限っての例である。『K-POPガールズ!』の主役は架空のアイドルであり、しかもK-POPというジャンルの人気を背景にしたアニメーション作品だ。やはり今回の一連の盛り上がりは異例中の異例と言わざるを得ない。

プロフィール

まつもとたくお

音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を始め、数々の専門誌・ウェブメディアに寄稿。2012年にはK-POP専門レーベル〈バンチョーレコード〉を立ち上げ、イ・ハンチョルやソヒといった実力派を紹介した。現在は『韓流ぴあ』『ジャズ批評』『ハングルッ! ナビ』などで連載。LOVE FMLuckyFM楽天ポッドキャストの番組に出演中。著書は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)ほか。

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