- HOME
- コラム
- 犯人目線で見る世界 ダークサイドの社会学
- データマイニングは犯罪対策をどう変えたのか? 日本…
データマイニングは犯罪対策をどう変えたのか? 日本が十分に駆使しきれていない「意外な理由」
日本でも、インテリジェンス主導型警察活動が進んでいる。とりわけ、逃亡人の検挙に関して、データを重視するようになった。
もっとも、伝統的に警察は、逃亡人の発見に関して、一般市民から情報を提供してもらうことに消極的だった。提供される情報が多すぎると捜査が混乱し、捜査員のモチベーションが下がるというのが、積極的になれない理由だった。
しかし近年、その方針は180度転換され、「どんな情報でもいいから出してほしい」という姿勢に舵を切った。その先駆けになったのが、地下鉄サリン事件で指名手配されたオウム真理教事件実行犯の逮捕劇だった。警視庁が防犯カメラの映像や似顔絵を連日公開する異例の捜査を展開したのだ。その結果、11日間で1800件を超える情報が寄せられたという。
確かに、次の図で明らかなように、統計学的には、情報の量が多ければ多いほど、逃走犯の所在地を発見できる可能性が高まる。
この図に示された赤点(ドット)のうち、どれが正しい情報かは分からない。実際、情報が増えれば虚偽情報も多くなってしまう。しかし、正しい情報なら次第に集中してくる。つまり、ドットが集まっているところが、逃亡人の潜伏先として自然に浮かび上がってくるのだ。
もっとも、日本の予測型警察活動は、海外に遅れを取っている。というのは、基礎になるビッグデータが脆弱だからだ。日本のビッグデータには、客観的な「犯罪発生情報」だけでなく、主観的な「不審者情報」が混在している。しかし、不審者情報はノイズでしかない。「こんにちはと声をかけられた」「道を教えてくれると声をかけられた」といった事案が含まれているからだ。欧米の犯罪対策では、曖昧な「不審者」という言葉は使われていない。
日本でも予測型警察活動の実効性を高めるには、まず、基礎データの質を根本から見直す必要がある。曖昧な情報に頼る限り、精度の高い犯罪予測は望めない。ビッグデータの力を真に引き出すには、情報の選別と整備が急務である。

アマゾンに飛びます
2025年8月5日号(7月29日発売)は「トランプ関税15%の衝撃」特集。例外的に低い税率は同盟国・日本への配慮か、ディールの罠か
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事件の現場から浮かび上がる「2つの条件」 2025.07.08
『ウォーキング・デッド』が犯罪学や社会学の「素晴らしい教材」と言える理由 2025.05.08
公園のデザインに見る日本と欧州の防犯意識の違い 2025.03.05
-
東京/外資系企業/受付・事務/未経験OK・英語活かせる・月26万~/土日祝休み/未経験歓迎
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員
-
港区・虎ノ門ヒルズ/外資系大手企業内での一般事務/資料のスキャニング、保管
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給22万700円~
- 正社員
-
外資系企業のケータリングサービス 年休120日・土日祝休み・賞与あり/港区/土日祝休み/週3日OK
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~25万円
- 正社員
-
外資系企業の総務アシスタント 未経験歓迎 土日祝休み 港区/土日祝休み/未経験歓迎/退職金制度あり
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給20万円~23万5,000円
- 正社員