
マスクを着用しない人の姿も珍しくなくなった(写真は3月20日、東京) Androniki Christodoulou-REUTERS
<5月8日から感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる新型コロナウイルス。流行が始まって3年が経過した今、3つのトピックス──最新の感染状況、ウイルスの起源、ワクチン接種と副反応──でこれまでとこれからについて解説する>
「3周年」でダイヤモンド・プリンセス号は注目を集めたが(2020年2月) KIM KYUNG HOON-REUTERS
<コロナ関連のニュースは派手に報じられたが、その陰で若い女性など弱い立場の人々が大勢亡くなっていることは見過ごされている>
新型コロナをめぐるニュースには、その扱いに明らかな格差がある。日本で2020年2月に集団感染が確認された大型客船ダイヤモンド・プリンセス号をめぐるニュースは、今年で3年という節目もあり新聞やテレビで大きく報じられた。
さらに今春には新型コロナの感染症法の分類は2類相当から、季節性インフルエンザと同じ5類へと変わることが既定路線となった(編集部注:1月27日、政府は5月8日から5類へ移行する方針を正式決定)。5類移行をめぐって、SNSやインターネットで盛んに医師らが意見を発信したことも再び注目された。どうすれば現場が、インフルエンザと同様の医療体制を構築できるかを実務的に考えるフェーズに移っていると言える。
だが医療関係者で目立ったのは「どうせ、感染状況は悪化する」と言わんばかりのネガティブな反応だった。考えは人それぞれだが、重要なのは現行の体制下では医療現場に巨額の補助金が投じられ続けているという事実だ。これは医療関係者の声がメディアにも、政治にも届いてきたことの証左である。
その裏で昨年、さしたる注目も集めないままひっそりと流れていったニュースがあった。政府が取りまとめた「自殺対策白書」で明らかになったのは、働く女性の自殺がコロナ禍以前の5年間の平均に比べて約3割増えたことだ。
「職を持つ女性の自殺者は、コロナ禍前の過去5年平均(1320人)比で28%増えていたことが判明した。年代別では20歳代が64%増、50歳代で28%増えていた」(読売新聞オンライン版、昨年10月14日付)という。
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マスクを着用しない人の姿も珍しくなくなった(写真は3月20日、東京) Androniki Christodoulou-REUTERS
<5月8日から感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる新型コロナウイルス。流行が始まって3年が経過した今、3つのトピックス──最新の感染状況、ウイルスの起源、ワクチン接種と副反応──でこれまでとこれからについて解説する>
2023年3月、マスク着用については個人の判断に委ねる方針を決定(東京都内)Kim Kyung Hoon-REUTERS
<5月8日、感染症法における位置づけが「5類」になる新型コロナウイルス。私たちはこの日を境にマスクを外すのか。それとも「マスク信仰」を棄教することができないのか>
A China Lab Leak?
新型コロナは研究所由来だとの主張を黙殺したメディアも多かった(武漢ウィルス研究所)Thomas Peter-REUTERS
<学術界は「情報の門番」として、研究所由来のウイルスであるという情報を阻止してきた。しかし「事実」に目をつぶれば、さらに恐ろしいウイルスが登場する>
米マイアミ大学の研究者らは6日、新型コロナウイルスが母親の胎盤を通じて胎児にうつる母子感染によって脳障害を起こしたと考えられる最初の2症例を確認したと明らかにした。写真は2020年1月撮影(2023年 MAM/CDC/Handout via REUTERS)
米マイアミ大学の研究者らは6日、新型コロナウイルスが母親の胎盤を通じて胎児にうつる母子感染によって脳障害を起こしたと考えられる最初の2症例を確認したと明らかにした。
モデルナのワクチン。コネチカット州 で2月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)
米バイオ医薬品大手モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は22日、同社の製新型コロナウイルスワクチンが政府契約から商業販売に移行する際に販売価格を1回当たり130ドルと現在の4倍に引き上げることについて、政府調達による「規模の経済」が働かなくなるためだと釈明した。米上院の厚生教育労働年金委員会の公聴会で証言した。