ドイツ鉱工業生産、5月は前月比+1.2% 横ばい予想に反して増加

ドイツ連邦統計庁が7日発表した5月の鉱工業生産指数は前月比1.2%上昇した。写真は工場でステアリングギアの生産を管理する従業員。2013年1月、ミュールハイムで撮影(2025年 ロイター/Ina Fassbender)
Maria Martinez
[7日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が7日発表した5月の鉱工業生産指数は前月比1.2%上昇した。市場は横ばいを見込んでいた。自動車とエネルギー生産が堅調だった。
INGのマクロ経済担当グローバル責任者カルステン・ブルゼスキ氏は「『警報解除』とするには時期尚早だが、低水準からとはいえ、少なくとも景気回復の兆しは強まっている」と述べた。
ただ短期的には、進行中の貿易摩擦、ユーロ高、乾燥した暑い夏による下振れリスクが高まっているとも指摘した。
ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は、生産水準はコロナ禍後の当初回復期を大きく下回ってはいるものの、数カ月前から上向きのモメンタムがあると語った。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルビーン氏によると、4月と5月の生産は第1・四半期の平均をわずかに上回っており、状況が好転したとの期待が高まっている。
5月の生産は自動車が4.9%増、エネルギーが10.8%増。医薬品が10%増加したことも全体を押し上げた。
キャピタル・エコノミクスによると、医薬品セクターでは新たな米関税が発効する前の駆け込み需要が続いている。
全体の生産を変動の少ない3カ月ベースで見ると、3─5月は前の3カ月間と比べて1.4%増となった。
統計庁はまた、4月の生産指数を1.6%低下(従来1.4%低下)に下方改定した。