サウジアラムコ、火力発電所最大5カ所の売却検討 40億ドル規模=関係者

7月4日、サウジアラビアの国有石油会社アラムコは最大5カ所のガス火力発電所の売却を検討している。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。写真は同社のロゴ。2019年10月、同国フライス郊外で撮影(2025年 ロイター/Maxim Shemetov)
[ドバイ 4日 ロイター] - サウジアラビアの国有石油会社アラムコは最大5カ所のガス火力発電所の売却を検討している。数百億ドル規模にもなる広範な資産売却の取り組みの一環。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。
関係者2人によると、サウジ政府はアラムコに対して利益や配当の国への分配を増やすよう圧力をかけている。製油所に電力を供給しているガス火力発電所を4カ所か5カ所売却するだけで40億ドル程度を調達できる可能性があるという。
ロイターのこれまでの報道では、アラムコはサウジの国家予算の主要な財源だが、資産の一部を手放して経営効率を高め、コストを圧縮しようとしている。原油価格の下落で収入が減ったため、今年は配当の支払いを約3分の1削減する予定だ。
関係者2人によると、ガス火力発電所の売却に加えて、社宅やパイプラインなどの売却も検討されている。3人目の関係者は、港湾インフラも売却対象となる可能性があると述べた。
資産売却のスケジュールは不明。資産売却の可能性や計画している資金調達の規模について、アラムコのコメントは得られていない。サウジ政府もコメント要請に応じていない。