豪資源収益、貿易リスクなどで今後も減少へ=政府報告書

オーストラリア産業科学資源省は30日発表した4─6月期報告書で、オーストラリアの鉱業およびエネルギー輸出の関連収益が今後2年間、貿易障壁のリスク拡大や1次産品の市場価格の下落、世界経済の低迷が原因で減少し続けるとの見通しを示した。写真は2023年10月、ピルバラ地域で撮影(2025年 ロイター/Melanie Burton)
[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア産業科学資源省は30日発表した4─6月期報告書で、オーストラリアの鉱業およびエネルギー輸出の関連収益が今後2年間、貿易障壁のリスク拡大や1次産品の市場価格の下落、世界経済の低迷が原因で減少し続けるとの見通しを示した。
報告書はトランプ米大統領の政策を巡る不確実性が世界貿易を混乱させ、企業が投資判断を先送りせざるをえない状況にあると指摘した。「慎重姿勢が強まり経済活動をさらに弱体化させている。オーストラリアが1次産品を供給する国々がこうした不確実性の影響を受けているため、世界の資源需要にも悪い影響をもたらすと思われる」と述べた。
トランプ氏は4月、ほとんどの国からの輸入品に10%の関税を課したが、多くの貿易相手国に対して「相互関税」は来月まで90日間の猶予措置を設けた。トランプ氏は先週、米国がオーストラリア最大の貿易相手国である中国と貿易に関する合意を締結したと述べたが詳細を明らかにしていない。
オーストラリアは6月末で終わる2024─25年会計年度で、資源輸出収益について23─24年度の4150億豪ドルから3850億豪ドル(約2520億ドル)に減少すると推定した。25─26年度は3690億豪ドル、26─27年度は3520億豪ドルに減少すると見込む。
報告書によると、オーストラリアの主力輸出品の鉄鉱石と液化天然ガス(LNG)の価格は世界的な供給増加のために下落する可能性が高い。鉄鉱石の輸出収益は今年度の1160億豪ドルから来年度に1050億豪ドル、26─27年度に970億豪ドルに縮小する見通しだ。
金は来年にかけて好調で鉄鉱石とLNGに次ぐ第3の輸出品となり、輸出量の拡大と価格の上昇で560億豪ドルに達すると予測している。
キング資源相は声明で「金の価格上昇と銅およびリチウムの輸出拡大見通しが鉄鉱石、石炭、LNGの価格下落の影響を一部相殺している」と述べた。
リチウム価格は最近の下落局面から徐々に回復すると見込まれており、収益は今年度の46億豪ドルから来年度に55億豪ドル超、26─27年度に66億豪ドル超に増加する見通しだ。
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