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米上院の税制・歳出法案、10年で3.3兆ドル赤字拡大=CBO算出

2025年06月30日(月)08時12分

超党派の米議会予算局(CBO)は6月29日、トランプ大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の上院案について、向こう10年間で約3兆3000億ドルの財政赤字拡大につながるという推計を公表した。同日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ワシントン 29日 ロイター] - 超党派の米議会予算局(CBO)は29日、トランプ大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の上院案について、向こう10年間で約3兆3000億ドルの財政赤字拡大につながるという推計を公表した。

赤字は下院が先月可決した法案よりも約8000億ドル増える見通しだ。

財政赤字と債務の増大を懸念する共和党は、CBOが長年採用してきた法案コスト算出方法を受け入れない姿勢を示している。

一方、民主党はこの最新の数字が財政を重視する保守派の不安をかき立て、共和党に反旗を翻させるきっかけになることを期待している。

民主党上院トップのシューマー院内総務は29日、法案の審議開始に際し、「共和党は上院で前例のないことをしようとしている。偽の計算や会計上のごまかしを駆使して、法案の実際のコストを隠そうとしている」と批判した。

上院は28日夜、法案の審議開始に向けた採決を実施した。共和党から2人が反対に回ったが、51対49の賛成多数で手続き上の最初のハードルをクリアした。

上院共和党はCBOの算出を受け付けず、2017年の減税延長による費用を考慮しない別の計算方法を採用する意向だ。

米シンクタンクの超党派政策センター(BPC)の分析によると、この計算方法を用いると、上院共和党の法案は大幅にコストが削減され、5000億ドルの節約になるとみられる。

ロイター
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