ポルトガル総選挙、与党連合が勝利も過半数に届かず

18日投開票のポルトガルの総選挙で、モンテネグロ首相が率いる社会民主党を含めた与党連合の中道右派「民主同盟」が勝利した。5月19日、リスボンで撮影(2025年 ロイター/Violeta Santos Moura)
[リスボン 18日 ロイター] - 18日投開票のポルトガルの総選挙で、モンテネグロ首相が率いる社会民主党を含めた与党連合の中道右派「民主同盟」が勝利した。しかし、不安定な政権運営の解消に必要となる過半数議席には届かなかった。
ほぼ開票済みの時点で民主同盟の得票率は32%超となった。中道左派の野党の社会党が昨年の選挙の28%から23.4%へ減った一方、新興極右政党シェーガは18%から22.6%へ伸ばし、ほぼ横並びの2位勢力となった。
モンテネグロ氏は自身が設立し、現在は親族が経営しているコンサルティング会社の取引を巡って野党から追及され、今年3月の議会でのモンテネグロ政権への信任投票が反対多数で否決されていた。モンテネグロ氏は不正行為を否定している。
モンテネグロ氏は政権運営に当たり、シェーガとのいかなる取引も拒否している。
政治学者のアントニオ・コスタピント氏は、得票率が約5.5%だった親ビジネス政党「自由イニシアチブ」(IL)と民主同盟が連立を組む可能性は不透明だと指摘した。ILが連立政権に加わった場合でも、230議席の過半数に必要な116議席には達しない。
ポルトガルは中道左派と中道右派の両政権下で、国内総生産(GDP)成長率がほとんどの欧州連合(EU)加盟国を上回り、財政黒字を達成するとともに、債務を削減してきた。
一方、不安定な政権運営が続くことで、同国北部でのリチウム採掘などの大規模プロジェクトが遅れたり、長く先延ばしになってきたTAPポルトガル航空の民営化が難航したりする可能性がある。