貧困国への融資能力拡大を要請、シンクタンクなどが世銀に

欧州と米国からの開発援助が大幅に削減されたことを受け、シンクタンクなどは世界銀行に対し、主要融資部門の対資本融資比率を引き下げ、数十億ドルの追加融資能力を確保するよう求めている。写真は世銀のロゴ。2023年4月撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)
Andrea Shalal
[ワシントン 22日 ロイター] - 欧州と米国からの開発援助が大幅に削減されたことを受け、シンクタンクなどは世界銀行に対し、主要融資部門の対資本融資比率を引き下げ、数十億ドルの追加融資能力を確保するよう求めている。
ロックフェラー財団のエリック・ペロフスキー副理事長は、国際復興開発銀行(IBRD)の対貸出資本比率を18%から17%に引き下げれば、納税者や株主に負担をかけることなく、また資本準備金を脅かすことなく、300億─400億ドルの融資能力増強が可能になると述べた。
新たな資金の大部分は、貧困国の政府が予算不足に迅速対処し、医療制度、水と衛生システムなどの重要公共システムを強化する融資に使用できるとの考えを示した。
また、活動中止やレイオフなどに直面する非政府組織に、長期的な資金調達につながる短期の低利融資も提供できると指摘した。
世銀は昨年、20カ国・地域(G20)の独立委員会が推奨した改革の一環で融資指針を変更し、対資本融資比率を2年連続で1ポイント引き下げた。
米国は1月のトランプ大統領就任以来、「米国第一主義」の外交政策に沿った見直しで、数十億ドルの対外援助を削減。欧州各国も対外援助予算を削減している。