インド中銀、非居住者向け預金金利の上限引き上げ 外貨流入促進で

12月6日、インド準備銀行(中央銀行、RBI)は、非居住者向け外貨預金(FCNR─B)の金利上限を引き上げた。写真はインドルピー紙幣。5月、ニューデリーで撮影(2024年 ロイター/Priyanshu Singh)
Nimesh Vora
[ニューデリー 6日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行、RBI)は6日、非居住者向け外貨預金(FCNR─B)の金利上限を引き上げた。FCNR─Bは非居住インド人(NRI)が外貨で開設できる定期預金口座で、為替リスクがないことが魅力。中銀は過去にもルピー安圧力が強まった際に同様の措置を取っており、直近では2022年7月に実施した。
今回、1年以上3年未満の預金金利の上限は基準金利プラス400ベーシスポイント(bp)、3年以上5年未満はプラス500bpに引き上げられた。いずれも現状より200bpの引き上げとなる。この決定は、過去2カ月間の大規模為替介入のコストを考慮したものとみられている。
海外への資金流出が続く中、中銀は為替市場で350億─400億ドルを売却し、600億ドル相当のドル/ルピーのショートポジションを構築したと推定されている。
ルピーは米国の関税政策への懸念、資金流出、アジア通貨の弱体化、国内経済の成長鈍化など複数の要因で下落圧力にさらされており、3日には過去最安値の1ドル=84.7575ルピーを付けた。
ただSBMバンク・インディアのトレジャリー部門の責任者、マンダル・ピタレ氏は、今回の措置によるルピーへの効果は限定的とみている。こうした預金に対する需要があった銀行にはメリットがあるものの、他の銀行は国内市場でより低コストで資金調達できるため、金利上限の引き上げを活用する可能性は低いとみている。