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中国、EUのリスク認識軽減へ「多くのこと」できる──欧州委高官

欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当、写真)は9月25日、欧州連合(EU)は中国との関係を断ち切るつもりはないとしながら、中国はEUが認識するリスクを減らすために「多くのことができる」と述べた。23日撮影(2023年 ロイター/Jason Xue)
[北京 25日 ロイター] - 欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は25日、欧州連合(EU)は中国との関係を断ち切るつもりはないとしながら、中国はEUが認識するリスクを減らすために「多くのことができる」と述べた。
北京の清華大学で講演した。欧州と中国の経済的結び付きは深いとも指摘した。
EUはかねてから、中国での公平な競争環境の欠如やビジネス環境の政治化に不満を示してきた。
また中国は今年、国家の安全にかかわる情報提供を禁止する反スパイ法など複数の新法を発表したが、具体的な定義は示しておらず、外国企業は法令順守を巡るリスクが高まっている。
ドムブロフスキス氏はこれらの法律について「曖昧なため解釈の余地が大きすぎる」とし、「欧州企業は順守義務の理解に苦慮することになり、中国での事業に対する信頼感が大幅に低下するほか、新たな対中投資が抑制される」と述べた。
同氏は25日に行う何立峰副首相との会談で懸念を伝える見通し。
貿易不均衡を巡るEUの不満も改めて伝える見込みだ。
一方、中国側はリスクを低減するEUの戦略について説明を迫るとみられる。
ドムブロフスキス氏は「われわれの戦略は保護主義的ではなく、国を問わない」と述べた。
中国共産党系の環球時報は社説で「欧州側は中国に『デリスク(リスク低減)』は『デカップリング(切り離し)』を意味しないと繰り返し断言している」と指摘。
「われわれは誠実な発言だと信じているが、リスクを低減するために保護貿易主義を利用することは容認できず、強く反対する」とした。
中国外務省の報道官は25日、世界各国の全ての企業が中国の市場志向で合法的な事業環境で合法的に活動ができる機会を提供し続けていくと述べた。