ニュース速報

ワールド

「アマチュア」爆弾でNY狙う、イスラエル情勢が動機と報道

2017年12月12日(火)06時40分

12月11日、ニューヨークのバスターミナル、ポート・オーソリティーで11日朝のラッシュアワーに、バングラデシュ出身の男が、身につけた手製爆弾を爆発させた。写真は同日、現場付近で(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨークのバスターミナル、ポート・オーソリティー付近で11日朝のラッシュアワーに、バングラデシュ出身の男が、身につけた手製爆弾を爆発させた。

男が負傷し、警察官ら他の3人が軽いけがを負った。デブラシオ市長は、「テロ攻撃の試み」との認識を示した。警察当局は男の身元について、アカエド・ウラー容疑者(27)と特定したことを明らかにした。

クオモ州知事は記者会見で、爆発装置について「アマチュアレベル」との見方を示した。CNNの取材に対しては、容疑者がインターネットを活用して、爆弾の製造方法に関する情報を入手したもようと指摘した。

フォックスニュースは、容疑者が勤務先の電気関係企業で装置を製作したほか、共犯者の情報は無いと伝えた。

爆発は、米東部時間午前7時(日本時間午後9時)ごろに起きた。

ホワイトハウスのサンダース報道官は定例記者会見で、移民制度改革の必要性を浮き彫りにしたと指摘。「入国者がわれわれの市民に危害を加えるために入国しないよう、確実にする必要がある」と訴えた。

捜査に詳しい複数の米当局者は、国内の情報・法執行機関が戦闘員やテロリズム関連で容疑者を把握していた情報は現時点でないと語った。

米政府筋は、容疑者が7年前、家族滞在を理由に入国を認める査証で米国に着いたと確認した。

警察によると、直近では9月8日にバングラデシュを訪れたという。

タクシー・リムジン関連の団体によると、同容疑者は2012━15年に有効だった黒タクシー・リムジンドライバーのライセンスを持っていた。

インターネット上で過激派の活動を監視する米団体「SITE」によると、親「イスラム国」(IS)メディアグループ、Maqdisi Mediaは、今回の攻撃計画について、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定したことを受けたものと伝えた。

CNNは法執行関係筋の話として、容疑者は調べに対しイスラエルがガザで起こした最近の行動が動機と話していると伝えた。

通行人らによると、地下道から脱出するなどした人で現場は混乱、パニック状態に陥ったという。

バスターミナルが一時閉鎖され、マンハッタン・ミッドタウンの一部区域で通行止めとなった。

WABCによれば、容疑者は20代の男で米国に7年間滞在し、ニューヨークのブルックリンに居住しているという。

爆発を受け、国内金融市場に衝撃が走った。株式相場が一時弱含み、安全資産とされる米国債などに多少の追い風となった。

午後の取引ではハイテク株やエネルギー株が上昇し、爆発後に市場で広がった不透明感の後退につながった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏、現在の金利水準は適切=スペイン中銀総裁

ビジネス

米年末商戦のオンライン売上高、5.3%増と伸び鈍化

ワールド

ノーベル生理学医学賞、坂口志文氏ら3人 「制御性T

ビジネス

JPモルガン、ユーロ圏を「オーバーウェイト」に 株
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿すると「腎臓の検査を」のコメントが、一体なぜ?
  • 3
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 4
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 5
    一体なぜ? 大谷翔平は台湾ファンに「高校生」と呼ば…
  • 6
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃の「オーラの違い」が話題…
  • 8
    「美しい」けど「気まずい」...ウィリアム皇太子夫妻…
  • 9
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 10
    一番お金のかかる「趣味」とは? この習慣を持ったら…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 7
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 8
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中