ニュース速報
ビジネス

日経平均は続伸、政治不安後退で「高市トレード」再開 半導体株高も押し上げ

2025年10月16日(木)16時14分

 10月16日、東京株式市場で日経平均は続伸し、前営業日比605円07銭高の4万8277円74銭で取引を終えた。東京証券取引所で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Hiroko Hamada

[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸し、前営業日比605円07銭高の4万8277円74銭で取引を終えた。自民党と日本維新の会が政策協議を始めたことで政治の不透明感が和らぎ、「高市トレード」が再開した。半導体関連株の一角が堅調に推移したことも、相場を押し上げた。日経平均は一時644円高となった。

日経平均は前営業日比434円高でスタートした後、上げ幅を拡大した。引き続き、指数寄与度の大きいハイテク株を中心に買いが強まった。物色面では決算を発表した銘柄への売り買いが活発となったほか、日本維新の会が掲げる「副首都構想」への思惑で関西圏の銘柄も上昇した。後場には一段と上げ幅を拡大し、一時644円高の4万8317円34銭まで値上がりした。為替相場が朝方に比べて円安方向に振れたことも支えとなった。

東海東京インテリジェンス・ラボのシニアアナリスト、澤田遼太郎氏は「マーケット参加者は高市総理誕生のシナリオを織り込んでおり、トレードが戻ってきている」と指摘する。

今後の日本株については「製造業の決算発表などを手掛かりに上方向を試す動きとなりそうだ。特に外需株では関税の影響が警戒したほど大きくなければ、買いが強まりそうだ」とみている。

半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が午後に発表した第3・四半期決算は、純利益が39.1%増の4523億台湾ドル(147億6000万米ドル)で過去最高となった。東京市場では前日から半導体株が買われており、決算発表後に上値を追う動きにはならなかった。

TOPIXは0.62%高の3203.42ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.62%高の1649.33ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆4426億5500万円だった。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.5%安の730.39ポイントと、反落した。

個別では、ソフトバンクグループが8%超高と大幅上昇。東京エレクトロンも堅調。アドバンテストは小幅高だった。ルネサスエレクトロニクスは大幅高。半導体大手エヌビディアが進める次世代AIインフラの開発に参加すると発表し、好感された。

一方、前日に決算を発表した東宝は大幅安。京阪神ビルディング、阪急阪神ホールディングスなどは堅調だった。

きょうプライム市場に新規上場したテクセンドフォトマスクは公開価格を19%上回る3750円で初値を付け、3640円まで上昇。3380円で取引を終えた。

プライム市場の騰落数は、値上がり858銘柄(53%)に対し、値下がりが681銘柄(42%)、変わらずが76銘柄(4%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 48277.74 +605.07 48107.44 47,937.72─48,317.34

TOPIX 3203.42 +19.78 3205.75 3,190.72─3,216.29

プライム市場指数 1649.33 +10.22 1648.58 1,642.87─1,655.82

スタンダード市場指数 1467.03 +0.28 1469.90 1,464.47─1,472.76

グロース市場指数 949.07 -11.70 965.28 947.32─968.44

グロース250指数 730.39 -11.11 745.28 728.94─747.81

東証出来高(万株) 208703 東証売買代金(億円) 54426.55

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

BMWの供給網、中国系半導体ネクスペリア巡る動きで

ワールド

中国の大豆調達に遅れ、ブラジル産高騰で 備蓄放出も

ビジネス

円債2300億円積み増しへ、金利上昇で年度5550

ビジネス

英、「影の船団」対策でロ石油大手2社に制裁 中印企
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中