英経済は軟着陸近い、金融政策を慎重に調整へ=テイラー中銀委員

イングランド銀行(英中央銀行)のテイラー金融政策委員は3日、英経済は「ソフトランディング(軟着陸)」に近づいているものの、現在は「脆弱な」局面にあるため、今後数カ月は金融政策を慎重に評価する必要があるとの考えを示した。写真はロンドンの英中銀前で8月撮影(2025年 ロイター/Corey Rudy)
[ロンドン 3日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のテイラー金融政策委員は3日、英経済は「ソフトランディング(軟着陸)」に近づいているものの、現在は「脆弱な」局面にあるため、今後数カ月は金融政策を慎重に評価する必要があるとの考えを示した。
議会の財務特別委員会への年次報告書で「新たなショックに見舞われているにもかかわらず、(英経済は)現在ソフトランディングに近づいている。しかし、脆弱な局面にあるため、この軌道を維持するために今後数カ月間、金融政策を慎重に調整する必要がある」と指摘した。
英中銀は先月、史上初となる2回の投票を経て政策金利を4.25%から4%に引き下げた。テイラー氏は当初3.75%への利下げを主張していたが、2回目の投票では4%への利下げを支持した。
テイラー氏は報告書で「私の最大の関心事は、インフレ率を持続的に目標の2%に戻すことだ。そのために必要な間は金融政策を引き締めておくが、必要以上には続けない。同時に2つの危険に注意を払っている」と説明した。
「より大きな危険は、われわれの対応が後手に回り、短期的に金融政策を引き締め過ぎ、その結果インフレ率が目標を下回り、経済活動が弱まるかリセッション(景気後退)に陥るという逆の問題に直面することだ」と述べた。