豪サントス、アブダビ国営石油主導連合が買収提案 187億ドル

オーストラリアの石油・ガス大手サントスは16日、アブダビ国営石油会社(ADNOC)が率いる国際コンソーシアム(企業連合)から187億ドルの買収提案を受けたと明らかにした。写真は2016年2月、シドニーで撮影(2025年 ロイター/Jason Reed)
Scott Murdoch
[16日 ロイター] - オーストラリアの石油・ガス大手サントスは16日、アブダビ国営石油会社(ADNOC)が率いる国際コンソーシアム(企業連合)から187億ドルの買収提案を受けたと明らかにした。取締役会は買収案を支持する意向という。
ADNOCは投資部門XRGを通じ、アブダビ・デベロップメント・ホールディング・カンパニー(ADQ)とプライベートエクイティ(PE)のカーライルと共同でサントス株1株当たり5.76ドル(8.89豪ドル)を提示した。これはサントス株の13日終値に28%上乗せした水準。
サントス株は16日の取引で11%値上がりしたが、13日終値に28%上乗せした水準には遠く及ばなかった。アナリストは買収がオーストラリア規制当局の承認を得られないリスクを反映していると指摘した。
サントスは「取締役会は拘束力のある計画実施協定の受け入れ可能な条件で合意することを条件に、より優れた提案がない限り、株主に対し取引に賛成票を投じるよう全会一致で勧告する方針だ」とした。買収案はサントス株主の少なくとも75%の支持が必要となる。
同社によると、取引成立にはオーストラリアの外国投資審査委員会(FIRB)、豪証券投資委員会(ASIC)などのほか、パプアニューギニアの証券、競争当局、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)による承認が必要となる。
MSTマーキーのシニアエネルギーアナリスト、ソール・カボニック氏は、サントスが豪州の重要なエネルギーインフラを管理しているため、FIRBの承認が取引実現に大きなリスクとなる可能性があると述べた。
FIRBの助言に基づいて買収の是非を最終決定するオーストラリアのチャーマーズ財務相は、買収計画を懸念しているかどうかにはコメントせず「大きな決断になるだろう」とオーストラリア放送協会に述べた。