4月の米関税発表で「市場メルトダウン寸前」、強力なメッセージに=独連銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は22日、トランプ米大統領が4月2日に大規模な関税を発表したことを受け、金融市場は「メルトダウン」に近い状態に陥ったと述べ、そうした状態になったことが米政権に規律をもたらす一助になったとの見方を示した。2024年6月撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[バンフ(カナダ・アルバータ州) - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は22日、トランプ米大統領が4月2日に大規模な関税を発表したことを受け、金融市場は「メルトダウン」に近い状態に陥ったと述べ、そうした状態になったことが米政権に規律をもたらす一助になったとの見方を示した。
トランプ氏の大規模関税措置の発表を受け、米国の株式、債券、ドルが売りにさらされ、市場では米国債やドルの安全資産としての地位を巡る疑問が生じた。
ナーゲル氏は記者団に対し「金融市場がメルトダウンから遠くない状態にあると感じることがあった」と述べた。
トランプ大統領はその後、関税の一部を一時停止、もしくは削減したことについて、ナーゲル氏は市場の「メッセージ」がトランプ氏の姿勢を和らげるのに役立った可能性があると示唆。「もちろん米国も(市場の動きを)見ていた。4月の(市場の)メッセージは極めて強力だったため、最終的には関係者全員に伝わった」と述べた。
ナーゲル氏はカナダ西部のバンフで開かれている主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席している。