ハーバード大の留学生受け入れ資格取り消し、トランプ政権 在校生には転出要求

トランプ米政権は22日、ハーバード大学の留学生受け入れ資格を取り消すと発表した。4月撮影(2025年 ロイター/Faith Ninivaggi)
By Nate Raymond, Ted Hesson
[ボストン 22日 ロイター] - トランプ米政権は22日、ハーバード大学の留学生受け入れ資格を取り消すと発表した。在学中の留学生については、他大学に転出しなければ、米国での滞在資格を喪失するとした。他の大学への取り締まり拡大も示唆した。
国土安全保障省のノーム長官は声明で、ハーバード大が「暴力や反ユダヤ主義を助長し、中国共産党と連携している」と非難し、学生ビザ取得に必要な「学生・交流訪問者プログラム」の認定を取り消すと説明した。
ハーバード大は、政権の措置は違法かつ報復行為に等しく、数千人の学生に影響が及ぶとし、留学生を支援する姿勢を鮮明にした。
トランプ政権はこれまでに、キャンパス内での反ユダヤ主義的ハラスメントなどを理由にハーバード大への助成金を凍結するなど、対立が続いている。
国土安全保障省は今回の措置について、ハーバード大学が外国人学生ビザ保持者に関する情報提供の要請を拒否したことを受けたものだとしている。
同大の統計によると、2024─25年度には約6800人の留学生が在籍し、全学生数の27%に相当する。22年時点では中国からの留学生が最多で、次いでカナダ、インド、韓国、英国、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、日本となっていた。
トランプ大統領が全米の数百人の留学生の法的資格を抹消しようとしている訴訟では連邦判事が22日、政権は適切な規制手続きを踏まずに資格を取り消すことはできないという判断を下した。この判断がハーバード大学に対する措置にどう影響するかは現時点で明らかではない。
ノーム長官はFOXニュースの番組インタビューで、ニューヨークのコロンビア大学を含む他の大学でも同様の措置を検討しているのかと質問され、「もちろん、考えている。これは他の全ての大学に対して、行動を共にするようにという警告になるはずだ」と述べた。
移民擁護団体「アメリカン・イミグレーション・カウンシル」のシニアフェロー、アーロン・レイクリン・メルニック氏は、ハーバード大の学生ビザプログラムに対する今回の措置は「何千人もの罪のない学生を不必要に罰するものだ」と非難した。