午前の日経平均は続落、円高警戒やテクニカル面の過熱で

5月16日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比96円12銭安の3万7659円39銭と続落した。写真は2022年6月、都内の株価スクリーンで撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
[東京 16日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比96円12銭安の3万7659円39銭と続落した。外為市場でドル安/円高に振れたことが警戒されたほか、テクニカル面で過熱感が生じており、全般は売り優勢だった。ただ、売り転換といった相場の方向性が示されたとの受け止めは少なく、一巡後は弱もち合いとなった。
ここに来るまでの上昇は、一連の関税交渉だけではなく、ドル高/円安に支えられてきた部分が大きいとされることから、外為市場で円高に振れたことが、利益確定売りを活発化させたとみられる。週末とあって、ポジション調整の売りも重なった。
テクニカル面で高値警戒感が強いことも調整の要因となっている。日経平均は200日移動平均線を超えたところで止まったが、市場関係者によると「RSIなど各種テクニカル指標をみても過熱感が生じているため、ここでの調整はやむを得ない」(国内証券ストラテジスト)という。
市場では「3万8000円前後の水準は価格帯別累積出来高をみると、直近では最も商いを消化した水準であるだけに、一気に上値を取るのは難しい。値を固める動きになるのではないか」(東海東京インテリジェンス・ラボ マーケットアナリストの池本卓麻氏)との声が聞かれた。
TOPIXは0.19%安の2733.80ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆1451億0700万円だった。
東証33業種では、値上がりは海運業、医薬品、繊維製品など14業種、値下がりは鉱業、電気機器、サービス業など19業種だった。
個別では、トヨタ自動車、ソニーグループなど主力銘柄に軟調なものが目立つ。東京エレクトロンもさえないが、ファーストリテイリングが堅調となり、三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京海上ホールディングスなど金融株も高い。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが717銘柄(44%)、値下がりは854銘柄(52%)、変わらずは57銘柄(3%)だった。