ニュース速報
ビジネス

今年の中国「618」商戦、売上高初の減少 期間延長も財布の紐固く

2024年06月20日(木)09時43分

 6月19日、中国で5月末から実施されていた今年の大型ネット通販セール「618」はセール期間を延長したにもかかわらず、盛り上がりに欠ける結果となった。写真はJDドット・コムの「618」向け広告。2022年6月、北京で撮影(2024年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

Casey Hall Sophie Yu

[上海 19日 ロイター] - 中国で5月末から実施されていた大型ネット通販セール「618」は、売上高が今年初めて減少した。セール期間を延長したにもかかわらず、景気の先行き不透明感から消費者の財布のひもは固かった。19日公表の推計値で明らかになった。

618セールは、電子商取引大手JDドット・コム(京東商城)の創設日の6月18日にちなんで名付けられ、11月の「独身の日」セールに次ぐ大型ネット通販セールだ。

コンサルティング会社Syntunによると、618セール期間中の主要プラットフォームの流通取引総額(GMV)は、7428億元(1023億6000万ドル)となり、前年比7%の減少した。売上高はコロナ禍でも拡大を続け、2023年には8000億元近くに達していた。

今年は、JDドット・コムやアリババ系の天猫(Tmall)や淘宝(タオバオ)などのEC(電子商取引)大手が、先行販売をやめ、その代わりセール期間そのものを拡大した。アナリストは、これが盛り上がりを欠いた一因と指摘する。

コンサル会社Re─Hubが高級ブランドの値引き戦略を分析したところ、半数近くが平均値引き額を前年並みないし減額する一方、20%は値引きを拡大した。

JDドット・コムは19日、5月末から6月18日までのセール期間の売上高や受注が記録を更新したと述べた。具体的な伸び率は示さなかった。

<iPhoneも値引き>

アリババはセール中盤に、ハイアールやシャオミ(小米)などのブランドがけん引し家電製品などの部門が好調と説明していた。同社は19日、ナイキ 、ロレアル、ランコム、アディダスを含む国際ブランドの天猫での売上高が10億元(1億3782万ドル)を突破したと明らかにした。

米アップルは、ライバルの華為技術(ファーウェイ)に対抗し、天猫でiPhoneの一部モデルを最大2300元(318ドル)値引きして販売。アリババによると販売開始から数時間で2億元以上売り上げたという。

「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」を運営するPDDホールディングスは、618セールの販売データを開示していない。

今や中国消費者の間で値引きや低価格は当たり前になっており、ネット通販のプラットフォーマーが顧客を囲い込み、かつ維持するのは難しくなっている。

杭州の女子大生は「正直なところ、618にはあまり関心がない。この手のお祭りが盛り上がっていても、自分の財布にお金は残っていない」と述べた。今回の618で購入したのは、1200元以上から1000元(138ドル)に値下げされた、兄のためのゲーミングチェアだけという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:長期金利、27年ぶり水準でも達成感なし 

ワールド

中国、トランプ氏の「平和評議会」から招待状 受諾は

ワールド

英のインド洋要衝巡る主権移譲、「完全な弱腰対応」と

ワールド

情報BOX:「核オプション」の反威圧措置、EUは米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「耳の中に何かいる...」海で男性の耳に「まさかの生物」が侵入、恐怖映像と「意外な対処法」がSNSで話題に
  • 2
    「死ぬところだった...」旅行先で現地の子供に「超危険生物」を手渡された男性、「恐怖の動画」にSNS震撼
  • 3
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 6
    中国、欧米の一流メディアになりすまして大規模な影…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 10
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中