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NY外為市場=円、一時34年ぶり安値 介入示唆で持ち直す

2024年03月28日(木)05時53分

ニューヨーク外為市場では円が下落し、1990年以来の安値に沈んだ。2022年6月撮影。(2024年 ロイター/Florence Lo/Illustration//File Photo)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では円が下落し、1990年以来の安値に沈んだ。ただ、日本の金融当局者が介入の用意があると示唆したことを受け、幾分持ち直した。

ドル/円は一時151.975円と、90年半ば以来の高値を付けた。終盤の取引では、0.13%安の151.36円。

神田真人財務官は27日、足元で投機的な動きを背景に円安が進んでいるとの認識を示した。金融庁と財務省、日銀幹部らと認識を共有し、対応に万全を期す考えも強調した。3者会合後、政府として「為替市場の動向を高い緊張感をもって注視するとともに、行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せず、適切な対応をとる」と述べた。

CIBCキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル責任者、ビパン・ライ氏は「介入は短期的には助けとなるが、長期的な解決策とはならない」と指摘。「介入、あるいは口先介入は、国外におけるより持続的な状況のシフトが確認されるまでの時間稼ぎにすぎないだろう」と述べた。

日米の利回りの格差を背景に、円は年初来7%超下落。先週の日銀の動きを受けても、状況は大きく変化していない。円の下落阻止には、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始や日本国外の国債利回り低下が必要となる可能性がある。

主要通貨に対するドル指数はは0.05%高の104.34。年初来では約3%上昇している。好調な米指標やFRBの利下げ期待後退が背景にある。

29日に発表される2月米個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。

ユーロ/ドルは0.07%安の1.0821ドル。

ポンド/ドルは0.06%高の1.263ドル。

ドルは対スウェーデンクローナで上昇し、昨年11月14日以来の高値を更新。スウェーデン中央銀行は27日、主要政策金利を予想通り4.0%に据え置いた。インフレ圧力が緩和し、数カ月以内に利下げか可能との認識を示した。

スイスフランは対ドルで11月3日以来の安値を付けた。先週のスイス国立銀行(中央銀行)による利下げが引き続き重しとなっている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.78%安の6万8567ドルとなった。

ロイター
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