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トヨタ副社長「異次元への挑戦を加速」、電池での提携で準備整う
12月18日、トヨタ自動車は、世界で販売する全車種について、2025年頃までにハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)といった電動専用車もしくはHV、PHV、EVなどの電動グレード設定車にすると発表した。写真は同社のロゴ。ロサンジェルスで11月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake)
[東京 18日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は18日、2025年ごろまでにガソリン車のみの車種をゼロにすると発表した。同年ごろまでにトヨタは世界で販売する全車種でハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)といった電動専用車、もしくはこうした電動車のグレードを設定する。
EVは20年代前半に10車種以上に増やすことも明らかにした。20年の中国を皮切りに日本、インド、米国、欧州に順次投入し、トヨタと高級車ブランド「レクサス」の両ブランドで展開する。
これまでの普及のイメージは、EVは近距離用、HV・PHVは乗用車全般、FCVは中距離用とすみ分けて考えていたが、今後は電池の進化とともにEV、HV、PHVそれぞれ用途の多様化を図り、FCVでも20年代に乗用車や商用車の品ぞろえを拡充する。
<電池への投資、30年までに1.5兆円規模>
トヨタは13日にパナソニック<6752.T>との電池分野での提携を発表した。併せて、豊田章男社長が同日、世界販売に占める電動車の比率を現在の15%程度から30年に50%以上へ引き上げる方針も表明。電動車を約150万台から550万台以上に増やし、このうちEVとFCVは計100万台以上とする目標を掲げた。
寺師茂樹副社長は18日の説明会で、この目標達成には「電池だけで研究開発、設備投資を含めて1.5兆円規模の投資が必要になる」と話し、1.5兆円のうち「半分以上は電池を作るための投資にかかると思う」と述べた。
EVはトヨタがこれまで注力してきたHVとは次元が異なる。電池容量だけでも日産自動車<7201.T>のEV「リーフ」は40kWhで、トヨタのHV「プリウス」(0.75kWh)の50倍超を搭載しており、「EV100万台を作るにはHV数千万台の電池容量が必要」(寺師副社長)。EVの競争力に不可欠な電池には供給能力、航続距離や充電時間に関わるエネルギー密度、コスト低減が課題となる。
寺師副社長はこうした課題を乗り越え目標を達成するため、パナソニック<6752.T>との提携に「アクセルを踏んだ」とし、両社の協業によって電動車の鍵となる「電池というピースが埋まり、電動化への準備が整った」と強調、「大きくかじを切り、異次元へのチャレンジをさらに加速する」と語った。
トヨタが20年代前半の実用化を目指す全固体電池については「間違いなく」(同)内製化する。ただ、30年の電動車の販売目標を達成するには、パナソニックとの提携による供給分だけでは「限界」があるとの認識も示し、詳細は未定だが、他社からも電池の供給を受ける可能性を示唆した。
*内容を追加しました。
(白木真紀)