ニュース速報
ビジネス
豪中銀総裁、利上げの「強い根拠」ない 長期据え置き示唆

11月21日、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のロウ総裁はインフレがさらに2年間目標を下回るとみられる中で、近い将来に政策を変更する「強い根拠」はないと述べ、利上げは長期にわたって難しいと示唆した。2016年9月撮影(2017年 ロイター/Jason Reed)
[21日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のロウ総裁は21日、インフレがさらに2年間目標を下回るとみられる中で、近い将来に政策を変更する「強い根拠」はないと述べ、利上げは長期にわたって難しいと示唆した。
豪中銀は過去1年以上にわたり、政策金利を史上最低の1.50%に据え置いている。今月10日には、基調インフレ率が目標レンジ2─3%の下限に達するのは2019年初め以降になるとの見通しを明らかにした。
ロウ総裁はシドニーで開かれたイベントで「完全雇用には達しておらず、インフレも緩やかにしか回復せず、しばらくは平均を下回るとみられる」と指摘した上で、「緩和的な金融政策の継続が適切」との考えを示した。
一方で、豪経済には慎重ながらも楽観的な見方を示し、低金利や人口増、海外での成長加速を背景に、国内総生産(GDP)は18─19年にかけて3%を超える勢いで加速すると予想。
「経済が予想通りに改善し続ければ、政策金利に関する次の手は引き上げになるだろう」とした。
ロウ氏は、設備投資の先行きも改善し、リスクを取って投資を行う企業が増えてきたと指摘。
ただ、家計債務が収入の伸びを上回るペースで拡大していることなどから個人消費はなお軟調で、インフレ抑制の大きな要因にもなっている。
ロウ氏は、企業の投資意欲や雇用が拡大すれば、個人消費の伸びも3%前後に押し上げられると指摘。
賃上げについては「企業はかつてのようなやり方では賃金を引き上げていない。その理由の一つは、企業も激しい競争の圧力を感じているためだ」と説明。
「少なくともしばらくは、経済がかつてより低いインフレ状態にあると考えられる」と述べた。