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中国NDRC、声明から金利・銀行預金準備率引き下げめぐる文言削除

8月3日、中国国家発展改革委員会(NDRC)はウェブサイトに掲載した声明で中国は政策金利と銀行の預金準備率を引き下げる適切な時期を模索する方針を示したが、その後に更新した声明ではこの部分を削除した。写真は2015年10月、北京で(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[北京 3日 ロイター] - 中国国家発展改革委員会(NDRC)は3日、ウェブサイトに掲載された声明で中国は政策金利と銀行の預金準備率を引き下げる適切な時期を模索する方針を示したが、その後に更新された声明ではこの部分を削除した。
NDRCは当初の声明で住宅在庫の縮小に向けた助成についても言及していたが、更新後の声明ではこの部分も削除された。
声明の文言の変更に関する説明はなく、ロイターによる電話取材に対してもコメントは得られなかった。ファックスで送信したコメントの要請に対しても今のところ回答は得られていない。
ウェブサイトに当初掲載された声明は、中国は「政策金利と銀行の預金準備率を引き下げる適切な時期を模索する必要がある」としていたほか、企業の調達コストを押し下げ、民間企業による債券発行を通じた資金調達を積極的に促す方針を表明。住宅の供給過剰が見られる都市に対してはさらなる在庫削減と供給サイドの改革を引き続き進めるよう促すとし、中国は適切に需要を拡大し「妥当かつ効果的な投資」を増やすとしていた。
NDRCが更新後の声明をウェブサイトに掲載したほぼ同じ時刻に、中国人民銀行(中央銀行)は、ウェブサイトに会議の総括を公開し、複数の金融政策ツールを活用し、潤沢な流動性、貸し出しと信用全体の妥当な伸びを年後半に維持すると表明。「穏健」な金融政策を維持すると同時に、予防的、かつタイムリーに政策を微調整するとの方針を示した。
人民銀は2015年10月以来政策を変更していないが、政府当局者はNDRCの声明について匿名を条件に、人民銀に圧力をかけることが目的だった可能性があると示唆。「NDRCは安定的な経済成長の維持が責務となっているため常に利下げを望む傾向があるが、人民銀はデレバレッジを強調しているため、政策金利の引き下げよりも銀行預金準備率の引き下げに動きやすい」と述べた。
今回のNDRCの声明は主要な政策決定を行う部門ではなく、調査部門が作成。あまり例のないことだが、声明は国内金融市場でさほど材料視されなかった。
*内容を追加しました。