ニュース速報
ビジネス
欧米社債柱にヘッジ外債最大1000億円増=東京海上日動計画

4月22日、東京海上日動火災保険は今年度、外国債券を500─1000億円程度積み増す。写真は都内で2014年1月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 22日 ロイター] - 東京海上日動火災保険は今年度、外国債券を500─1000億円程度積み増す。投資適格級の欧米社債を中心に為替ヘッジ付きで投資する。低金利が続く円債は積み増しせず、期末残高は減少の見込み。国内株は中期計画に沿って政策保有分1000億円程度の売却を予定している。
岳俊太郎・資産運用第2部次長は外債の積み増し方針について「(国内の)マイナス金利に投資するわけにもいかない。必然的に海外投資へ向かわざるを得ない」と説明した。
前期は為替ヘッジなしのオープン外債も一部積み増したが、今期は円相場の高止まりが続くとみて、基本的に為替リスクは排する方針。米独などの国債は金利水準がすでに大きく低下しているため、積み増しの「かなりの部分」が社債になる見通しだという。
国際金融市場の不安定化を背景に社債市場でも一部銘柄のスプレッドが急激に拡大するなど荒い動きが発生していることを受け、投資先は徹底して選別する考え。「償還まで持ち切れると判断した銘柄なら、一時的にワイド化しても慌てる必要はない」ためで、米エネルギーや欧州の銀行といった不透明要素が強いセクターは対象外とする。
今年度のリスク要因には、中国景気の減速と英国の欧州連合(EU)離脱、ギリシャなど南欧問題を挙げた。
日銀がマイナス金利を突然導入した今年1月は、短期運用目的で保有していた資産の金利がマイナスへ急低下。債券価格は上昇するため「損が出るわけではなかったが、短期の運用先をプラス金利の資産へ移し替える作業を精力的に行った」と振り返った。
各市場の見通しは以下の通り。米国債金利の下限0.8%は、市場で再緩和の憶測が広がるような「かなりのリスクシナリオ」という。
▼はマイナス。
日本10年債利回り ▼0.5─0.5%(年度末0.0%)
米10年債利回り 0.8─2.8%(同2.1%)
日経平均 1万2000─2万円(同1万6000円)
ドル/円 100─125円(同112円)
ユーロ/円 110─145円(同126円)
(基太村真司、佐野日出之)