■イデオロギー 情報機関は、個人の弱みに付け込むのが常だ。傲慢、強欲、憤怒、嫉妬、色欲、暴食、怠惰......情報機関は、人間なら誰でも持っているこうした感情や欲求をたき付け、それを巧みに利用する。
しかしキューバ政府は、これらの要素以上に根源的な弱点に付け込んでスパイを獲得していた。それはイデオロギーだ。ロチャ、マイヤーズ、モンテスはいずれも、キューバ革命の思想に深く傾倒していた。
■限定的なミッション もう1つ見過ごせないのは、キューバの情報機関がもっぱら単一のミッションを追求していることだ。そのミッションとは、アメリカの活動について情報を収集し、その活動を無害化もしくは破綻させることである。
アメリカのCIAは、そうはいかない。北朝鮮のミサイル開発、ロシアのウクライナに対する動き、イスラム組織ハマスのイスラエルに対する動き、犯罪組織のアメリカでの活動、中国のアメリカやアジア、宇宙空間、経済分野、政治分野における活動、そしてキューバのアメリカに対する活動に目を配らなくてはならない。
1つのテーマに活動を絞れば必ずうまくいくという保証はないが、キューバはロチャ、マイヤーズ、モンテスという3人のスパイを送り込んだ。アメリカは3人を摘発したが、キューバは今後も米政府内にスパイを送ろうと試み続けるだろう。
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