コラム

「この名前を与えてもらって感謝」油井亀美也宇宙飛行士に聞いた、「亀」の支えと利他の原点

2025年06月10日(火)22時30分

──まさに「ライトスタッフ(筆者注:right stuff。任務・職務などを遂行するために不可欠な資質、適任の意味で、油井さんが好きな映画のタイトルにもなっている)」ですね。油井さんが宇宙飛行士を目指すきっかけは、映画の『ライトスタッフ』(1983年)というのは有名ですが、公開は中学生の頃ですよね。すぐに見られたのですか?

油井 自衛官になってアメリカに行って、レンタルビデオ屋で偶然見つけたんです。なんか宇宙服を着た人とカプセルが写っているビデオがあったので、「何かな」と思って手に取りました。

鑑賞して「あ、これだ」と思いました。当時の自分はもう宇宙飛行士になるという夢を諦めていたのですが、もしかしたらテストパイロットになれば、将来状況が変わるかもしれない。日本人もテストパイロット出身の宇宙飛行士が出るかもしれないと思って、心が決まりました。

──すごい出会いでしたね。きっと、今まで周りを大事にしたり助けたりの善行を積んでいたから、巡り合ったんですね。


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ブルースーツ左腕にある日の丸を見せるポーズは油井さんのお気に入りポーズだ(6月6日) 筆者撮影

■続きはこちら:「悩んでる時もとりあえず頑張っておく」 油井亀美也宇宙飛行士に聞いた、若き日の苦悩と自分の選択を正解にする秘訣

プロフィール

茜 灯里

作家・科学ジャーナリスト。青山学院大学客員准教授。博士(理学)・獣医師。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専修卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。朝日新聞記者、大学教員などを経て第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。小説に『馬疫』(2021 年、光文社)、ノンフィクションに『地球にじいろ図鑑』(2023年、化学同人)、ニューズウィーク日本版ウェブの本連載をまとめた『ビジネス教養としての最新科学トピックス』(2023年、集英社インターナショナル)がある。分担執筆に『ニュートリノ』(2003 年、東京大学出版会)、『科学ジャーナリストの手法』(2007 年、化学同人)、『AIとSF2』(2024年、早川書房)など。

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