労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人 関税の影響一時的とも

米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長(金融監督担当)とウォラー理事は1日、雇用情勢への懸念の高まりが、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを主張し金利据え置きに反対票を投じた理由と説明した。米政権の関税措置が持続的なインフレをもたらさないという考えも示した。(2025年 ロイター/Jason Reed)
[1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長(金融監督担当)とウォラー理事は1日、雇用情勢への懸念の高まりが、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを主張し金利据え置きに反対票を投じた理由と説明した。米政権の関税措置が持続的なインフレをもたらさないという考えも示した。
ボウマン副議長は声明で「今年の米経済成長が鈍化し、労働市場が減速する兆しが見られる中、やや制約的な政策姿勢を、中立的なものに段階的に移行していくことが適切だとみなした」と表明。利下げには「経済のさらなる減速と労働市場への打撃のリスクを先回りして回避する効果がある」とも指摘した。
ウォラー理事も「インフレ率が目標水準の近くで推移し、物価の上昇リスクは限定的だ。労働市場が悪化するまで利下げを待つべきではない」と主張した。雇用市場が停滞に近づいており、政策金利は中立水準に近づけるべきだと指摘した。
FRBは7月29─30日のFOMCで、5会合連続で政策金利を据え置いた。金融政策が引き締め的すぎるという点でトランプ米大統領と見解が一致するウォラー、ボウマン両氏は反対票を投じた。
1日に発表された7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが予想以上に鈍化し、過去2カ月分の雇用者数が大幅に下方改定されるなど、両氏が指摘した雇用懸念を裏付けるような内容となった。
トランプ大統領は金利引き下げを求め、利下げに慎重姿勢を崩さないパウエル議長を繰り返し非難している。ウォラー氏は、26年5月に任期満了となるパウエル氏の有力な後任候補とみられている。