- HOME
- コラム
- 世界のテロ情勢を読み解く
- シリア新政権の治安組織に潜むISシンパ──パルミラ…
シリア新政権の治安組織に潜むISシンパ──パルミラ米国人殺害が示した統治の脆弱性
古代の遺跡。パルミラ・シリア Mantvis -shutterstock-
<シリア中部パルミラでの米国人殺害事件は、シリア新政権の治安組織にISシンパが浸透する実態を露呈。ISにとっての「中枢」シリアの不安定化は世界各地のネットワークを再活性化させる>
2025年12月13日、シリア中部パルミラ近郊の歴史的景観を背景に発生した米国人3名の殺害事件は、単なる一過性のテロ攻撃として片付けるべきではない。この悲劇において最も深刻な懸念を投げかけているのは、実行犯が新生シリアの治安部隊に身を置いていたという冷厳な事実である。
バッシャール・アル=アサド政権の崩壊からちょうど1年、アフメド・アルシャラ大統領(旧名アブ・ムハンマド・アル=ジャウラニ)率いる新体制へと移行したシリアにとって、自国の安全保障を担うべき軍や警察の中に過激派組織「イスラム国(IS)」のシンパが紛れ込んでいたことは、国家の統治機能や組織の浄化が未だに致命的なレベルで不十分であることを白日の下に晒した。
国際社会は、この事態をシリア国内の局地的な治安問題として過小評価してはならず、IS対策の重要性を今一度、最優先課題として再認識すべきである。
シリア政権の脆弱性と治安組織への「静かなる浸透」
なぜなら、シリアにおけるISの活動活発化は、アフリカのサヘル地域やアフガニスタンの「イスラム国ホラサン州(ISKP)」といった他の地域で展開される勢力拡大とは、その戦略的・象徴的な意味合いが根本的に異なるからだ。
ISのグローバルネットワークという視座に立てば、今日においても概念上の「中枢(コア)」は依然としてシリアとイラクの境界地域に存在する。
かつて「カリフ制国家」の樹立を宣言し、世界中から数万人規模の外国人戦闘員を引き寄せた場所こそがこの地であり、支持者にとってシリアはISというブランドの「聖地」であり続けている。この地理的・歴史的な「重み」こそが、シリアを特別な場所にしているのである。
シリア新政権の治安組織に潜むISシンパ──パルミラ米国人殺害が示した統治の脆弱性 2025.12.28
ボンダイビーチ銃撃は「想定外」ではなかった ――オーストラリアを25年追い続けるテロの影 2025.12.24
「テロの震源地サヘル」──2026年、拡散する脅威と地政学リスク 2025.12.09
インド進出企業に迫る「恒常的リスク」...ニューデリー・テロ事件が突きつけた現実 2025.12.08
「ローンオフェンダー」とは何か?――単独犯テロの3類型と現代テロ対策の行方 2025.11.18
イスラム国(ISIS)再生の条件――アサド後シリアに広がる混乱の連鎖 2025.10.06
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
東京「税務マネージャー」 世界5大会計事務所/外資クライアントメイン/フレックス・在宅勤
BDO税理士法人
- 東京都
- 年収600万円~1,000万円
- 正社員
-
外資企業向けBPOサービスの営業 英語力を活かせる/リモート有/KDDIx三井物産G/実働7.5時間
アルティウスリンク株式会社
- 東京都
- 月給27万3,000円~
- 正社員
-
外資企業向けBPOサービスの営業 英語力を活かせる/リモート有/KDDIx三井物産G/実働7.5時間
アルティウスリンク株式会社
- 東京都
- 月給27万3,000円~
- 正社員






