コラム

台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか

2026年02月07日(土)22時35分
マライ・メントライン(翻訳家、通訳、エッセイスト)

ここで気になるのが、本来「見せるため」の技芸であるはずの「イキリ」がそのまま実戦につながってしまい、案の定、結果として現実をうまく定義できずにまずいことになるというパターンがうかがえることだ。

これは第2期トランプ政権の振る舞いにも通じる話で、また、考えてみればナチスドイツや大日本帝国の歴史的教訓にも「イキリ」「ハッタリ」のマイナス効用をベースに語ることができる要素が多いのだが、どういうわけか正面から取り上げられることは少ない。

原因ではなく結果についての悔恨が多い故の弊害かもしれないが、社会心理を事前にシミュレートして惨事を防ぐという観点からも、本当は重要なことだろう。


個人的に、今の世界的なイキリ中毒じみた状況の背後に感じるのは「駄目な曲解・誤解の巧妙さ」の発達・蔓延であり、大局的に見れば、情報量に反比例する知的衰退だ。そしてそれを計算ずくで利用しようと図る政治が、何か良きものになる可能性は限りなく低いと思われる。


newsweekjp_20251118090407.pngマライ・メントライン
MAREI MENTLEIN
ドイツ北部キール出身。2度の留学を経て2008年から日本在住。独TV局プロデューサーや翻訳、通訳、執筆、コメンテーターなど幅広く活動する自称「職業はドイツ人」。近著に『日本語再定義』(小学館)など。

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