コラム

日本人はなぜそんなに愛情を言葉にしないのか、外国人が心から感じる不思議

2021年12月10日(金)15時54分
石野シャハラン

逆に、犯罪の被害者やその遺族が静かにインタビューを受けている報道を見ると、私は今でもとても驚くし感心する。他の国では、ワーワー泣いてギャーギャー抗議するのが普通なのだから。技術の発展でいくら世界が狭くなったとはいえ、まだカルチャーギャップは大きい。

日本人にとってクリスマスは恋愛の季節であるし、お正月は家族だんらんのタイミングである。この機会に恋人や親しい友人・家族に愛情あふれる言葉を掛けてみてはどうだろう。イラン人のように「あなたは私の肝臓」などと言う必要はない。どれだけあなたが大事か、会えなくてどのくらい寂しかったか、どんなに感謝しているか、恥ずかしがらずに伝えてみよう。

あなたの思いが届くうちに、それを言葉にして届けなくてはならない。あなたの大事な人がいつでも、いつまでもあなたと一緒にいるわけではない、というのがこのコロナ禍の教訓であったのだから。

toykyoeye_ishino_profile_w100.jpg石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。シャハランコンサルティング代表。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran


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