コラム

黒川さん、賭け「麻将」はよくないよ! 中国人の私が麻雀よりもおすすめするのは......

2020年06月18日(木)18時00分
周 来友(しゅう・らいゆう)

コロナ危機のため最近は話題にも上らないが、日本でのカジノ合法化にも私は反対している。依存症蔓延につながるだけでなく、日本の国益になるのか疑問に思うからだ。カジノを含む統合型リゾート(IR)を造っても、地元経済に恩恵はなく、外国資本が儲かるだけだろう。マカオのようにカジノと街が一体化しているならまだしも、隔離された地域にIRを造れば、その中だけでお金が回ることになりかねない。

IR誘致をめぐっては昨年12月、中国企業から賄賂をもらったとして、IR担当の内閣府副大臣だった秋元司衆議院議員が逮捕されている。彼は容疑を否認し、裁判で争う姿勢を見せているが、事実はまだ明らかになっていない。一方、5月半ばには、米カジノ大手のラスベガス・サンズが日本への進出を断念したというニュースが飛び込んできた。コロナ危機により将来の見通しは立たないが、図らずも日本のカジノ合法化は旗色が悪くなっている。

私の好きな日本で、これ以上ギャンブル依存症が増えるのはごめんだ。だから黒川さんにも、趣味としてやるなら麻雀ではなく卓球をおすすめしたい。卓球なら私でも教えてあげられる。何といっても、私も中国人の端くれだからね。

Zhou_Profile.jpg周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。

<本誌2020年6月16日号掲載>

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2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

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