最新記事
BOOKS

「中国人は大阪を『日本の中国』と呼ぶ」...上海の不動産コンサルタントが明かした実態

2026年3月17日(火)21時40分
印南敦史 (作家、書評家)
大阪

「中国人で大阪のことを『日本の中国』と言っている人はけっこういます」という証言も飛び出した Jujumin Chu-shutterstcok

<高騰を続ける日本の不動産。ベテランジャーナリストが日本や中国で取材し、驚愕の実態を解き明かした>

『強欲不動産――令和バブルの熱源に迫る』(吉松こころ・著、文春新書)の著者は、不動産業界で取材を始めて23年になるという人物。

業界新聞社勤務を経て興した会社が、今年で12期目に入るというので紛うことなきベテランである。しかし、そんなキャリアの持ち主でさえ、現在の不動産の状況には違和感を覚えるようだ。


 都内の新築タワーマンションの販売所には人が押し寄せ、最高で1000倍という倍率がついた。東京から1000キロ離れた北海道のスキーリゾート・ニセコでは造成された山に建つ別荘に、おおよそ30億円の値がついた。値段もつかなかった原野が、1億円以上で取引された。(「はじめに」より)

だとすれば、「いったい誰が買っているのだろう?」と不思議に感じるのは当然の話。そこで著者は、「自分の足で現地を歩き、自分の目で見て、話を聞き、それを記録しよう」と決心した。
『強欲不動産――令和バブルの熱源に迫る』
つまり、そうして生まれたのが本書なのである。

なお、著者が取材の過程で知ることになったという「逃資(とうし)」「フリーライド」「内巻(ネイジュアン)」が、重要なキーワードだ。

「逃資」は、中国から日本に資金を逃すという意味の造語。「フリーライド=ただ乗り」は、外国資本が、日本の整ったインフラや治安のよさを享受して商売すること。そして後述するように「内巻」は、中国国内の厳しい生存競争を指すものだ。

熾烈な状況下、本来であれば住む場所であったはずの不動産が「資産として持っておくべきもの」に変わり、中国人らが本国を追われた際の逃げ場所になっていたのである。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米テロ対策トップ辞任、イラン戦争支持できず 「切迫

ワールド

イラン外相「ホルムズ混乱は米・イスラエルの攻撃と不

ワールド

米経済、イラン情勢の打撃なし 海峡通航徐々に再開と

ワールド

EXCLUSIVE-イラン新最高指導者、米との緊張
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 5
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 6
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 7
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    生徒がいない間に...中学教師、教室でしていた「気持…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中