イラン戦争で旅行がパーに...空の便大混乱で100万円以上の追加費用
「旅行初心者」は中東を回避
英国の都市バースに住むジョン・ムーアさん(81)と妻のポーリンさんは、自らを「旅行初心者」と呼ぶ。彼らは「数百ポンド」の追加料金を払い、オーストラリアのブリスベンへのフライトをカタール航空からカンタス航空へと変更。中東を避け、シンガポールを経由するルートを選んだ。
ムーアさんは「追加料金を払ってでも、シンガポール経由で予約し直した方がいいと判断した。絶対に安全という保証はないが、今のルートより安全性が高いのは明らかだ」とロイターの取材に語った。
紛争による旅行への支障を懸念し、リスクを冒してまで旅行する価値はないと判断する人々もいる。
シドニー在住でウエストパック銀行に勤務するスミット・シャルマさんは、家族でエティハド航空を利用してドバイへ行く予定だった。しかし、同航空から全額返金の対象になると確認が取れたため、旅行計画を白紙に戻した。
「行き先を中東から香港へと変えた」とシャルマさん。代わりにキャセイパシフィック航空を予約し、息子をディズニーランドへ連れて行くのを楽しみにしていると付け加えた。
シドニーの保険会社アライアンス・インシュアランスでシニアコンサルタントを務めるショバナ・ゴパルさんも、ドバイ経由でオーストリアへ向かう計画を取りやめ、家族旅行の行き先を中国へと変更した。
「中国の3都市を巡る予定だ」とゴパルさんは語る。
カンタス航空によると、提携ネットワークを活用し、米国やその他のアジア都市、あるいは南アフリカのヨハネスブルクを経由して欧州へ向かう迂回ルートを選択する乗客が増加しているという。
香港のキャセイパシフィック航空も11日、「中東情勢の影響で、需要動向に急激な変化が見られる」と表明。格安航空会社(LCC)のライアンエアーは、旅行者が中東を敬遠するなか、欧州圏内を目的地とする予約が急増している実態を強調した。
ドイツのルフトハンザ航空は、欧州を経由する代替ルートの需要が急増していると指摘。同社のアジアへの直行便の今後12カ月間の予約数は、前年比で75%も増加しているという。
航空業界の専門家、ハンス・ヨルゲン・エルネス氏は、「エミレーツ航空やエティハド航空といった中東の大手航空会社は、本来飛ぶべきルートを飛べない状況にある。その結果、行き場を失った乗客の波を、欧州やアジアの航空会社が引き受けざるを得なくなっている」と分析した。
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