日本経済にとって、円高/円安はどちらが「お得」なのか?
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<円高・円安を考える「4つの視点」を元財務省官僚の大矢俊雄が解説する──>
日本経済にとって、円高/円安はどちらが「お得」なのか?
元財務省審議官の大矢俊雄は、「為替レートの動きは経済や暮らしに大きな影響を与えるが、どちらが有利だとは一概に言えない。円安は確かに物価高につながるが、対外投資の収益を増大させることにも着目すべきだ」という。
大矢が執筆した『教養としての為替』(かんき出版)より一部抜粋して、円高/円安が経済に具体的にどのような影響をもたらすのか紹介する。本記事は第3回。
※第1回:「円安で日本が弱くなる」は本当か? 元財務省官僚が教える「黒字大国日本」の強みとチャンス
※第2回:ニュースでよく聞く「東京外国為替市場」は、実際は存在していない
円高/円安の影響①「輸出・輸入」への影響
まず為替が輸出・輸入に与える影響を見ていきます。
たとえば1ドル=150円から100円の円高になった時、日本からの輸出価格が300円の商品は、輸入した米国での価格は2ドルから3ドルに上がります。そうすると、米国での価格競争力が失われてしまいます。
この状況で、米国での価格を無理に2ドルのままに抑えようとすると、単純計算で輸出価格を200円にしなければなりません。そうすると、今度はこの輸出企業の収益が減ります。
他方で、米国から日本に輸入された1ドルの商品に関しては、以前は150円支払わなければいけなかった商品が、100円で買えるようになります。つまり、日本の消費者=輸入者にとっては円高のほうがありがたい、ということになります。







