戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウクライナ戦争5年目の現実
Why No One Is Winning the Russia-Ukraine War After Four Years
2022年夏以降、戦局は反転する。米国製の高機動ロケット砲システム「HIMARS」が2022年6月までに投入され、ハルキウ州でロシア軍の補給線を断った。ロシア軍の鉄道拠点だったクピャンスクとドンバス方面への進軍拠点だったイジュームを奪還し、11月には南部のヘルソン市も取り戻す。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)によれば、ウクライナはこの反攻で5万6900平方キロ以上を奪還し、2022年末時点でロシアの支配地域は17.84%に縮小した。前線も大きく動いた。
しかし2023年以降、戦局は再び固定化する。
ドネツク州北部の交通拠点バフムトは2023年5月にロシアが制圧。ドネツク市の要塞都市アウディーイウカも2024年2月に陥落した。専門家によれば、この市街戦で失われたロシア兵はソ連のアフガニスタン侵攻時の戦死者数を上回る可能性がある。
それでも戦線全体はほとんど動かない。
ISWのロシア専門家、カテリーナ・ステパネンコによれば、2022年末から2026年2月初めまでにロシアが新たに掌握した領土はウクライナ全体の1.55%にすぎない。現在の支配地域は2割弱だ。





