高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?

WHAT’S IN A WORD?

2026年1月30日(金)16時25分
グレン・カール (本誌コラムニスト、元CIA工作員)

中国メディアが台湾包囲の軍事演習を報じる様子

台湾包囲の軍事演習を大々的に報じた中国メディア TINGSHU WANGーREUTERS

アメリカ側も高市発言についてはほぼ沈黙を守り、日米同盟の強化よりも中国側の機嫌をうかがっているようにみえた。

ところが昨年12月17日、トランプは急に気が変わったのか、台湾の主権に対する中国の脅威に対抗する形で台湾に111億ドル相当の武器を売却すると発表した。単一の武器取引としては米・台湾間で史上最大の規模だ。

この支援は台湾の主権を守るというアメリカ政府の長年にわたる約束に沿うものだが、「アメリカ・ファースト」の範囲を超えた国外への軍事的関与を嫌うトランプ流の孤立主義とは矛盾していた。

その12日後、中国は台湾周辺で威嚇的な軍事演習を実施し、日本から台湾への空路・海路を実質的に遮断することで怒りを表明した。

それは米中間の「大いなる取引」というアメを見せておいてムチを振るう一方、日本に対しては罰を与え、日本が果たそうとする自立した戦略的役割を無力化する試みだった。

中国は台湾や日本の領海に対する侵犯の頻度も上げており、国際的に公海と認知されている海域での主権主張も繰り返している。高市発言を含め、台湾や南シナ海における主権の主張に反対するいかなる発言も許さず、それを自らの行動規範を押し付ける機会として利用するのが中国流だ。

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