最新記事
韓国政治

ドラムからピンクのスマホまで 韓国・李在明、「映える」首脳外交の成果は?

2026年1月27日(火)21時00分
佐々木和義

K-POPが縮めたメローニ首相との距離

李大統領は1月19日に韓国を訪れたジョルジャ・メローニ首相と首脳会談を行った後の昼食会で、サムスン電子のピンクのスマホ「Galaxy Z Flip7」をサプライズプレゼントした。メローニ首相の好きな色がピンクだと知った李大統領の心遣いに、メローニ首相は「その場で一緒に自撮りをしましょう」と提案、2人はスマートフォンで記念撮影を行った。

同行した首相の娘はソウル空港に到着した時、BLACKPINKの帽子を被っていたほどのK-POPファン。李大統領とメローニ首相は首脳会談でも、K-POPについて長く意見を交わしたという。メローニ首相は記者会見で「私の娘がK-POPファンなので、K-POPが韓国のソフトパワーとして果たしている役割を日々実感している」と述べ、文化交流の重要性を強調した。

韓国政府からメローニ首相には、朝鮮戦争時にイタリアが設立した赤十字病院の写真集が贈られた。メローニ首相は記者会見で「感動的な写真ばかりで、韓国の人々が今もイタリアの貢献を記憶していることに感謝したい。これは両国の長く重要な関係を物語っている」と述べた。

「いいね」の先へ──約束は実行されるのか

わずか半月の間に中国、日本、イタリアの首脳と立て続けに会談し、その様子をSNSで積極的に発信する──。李在明大統領の外交スタイルは、従来の硬直した首脳外交に親しみやすさと透明性をもたらした。習近平主席から贈られたスマートフォンでの自撮り、高市首相とのドラムセッション、メローニ首相へのサプライズプレゼント。これらは確かに話題性に富み、国民の関心を引きつけた。

しかし、問われるべきは演出の巧みさではなく、外交の実質だ。中国とは15件のMOUを締結したものの、日本とはCPTPP加盟や水産物輸入問題という難題を抱えたまま。イタリアとの先端産業協力も、具体的な成果はこれからだ。李大統領が要望したというパンダの追加貸与が実現する時、習主席との自撮りが再び世界を駆け巡るだろう。だが、SNSでの「いいね」の数よりも、これらの約束がどこまで実現するかが、李在明外交の真価を決めることになる。デジタル時代の首脳外交は、見せる力と実行する力の両立を問われている。

【関連記事】
韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
【写真】世界で最も稼いだK-POPスター第1位は? トップはBTSでもBLACKPINKでもなく...
【動画】体重は53キロなのに「太り過ぎ」で追放されたと暴露するK-POPアイドル

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、ドンバス割譲が「安全の保証」の条件 ウクライナ

ワールド

ウクライナ東部ハルキウで旅客列車にドローン攻撃、西

ビジネス

CB消費者信頼感指数、1月は84.5に低下 14年

ビジネス

ボーイング、第4四半期は黒字転換 事業売却益や納入
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 6
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中