ベネズエラ暫定大統領ロドリゲス、権力固め加速...米国要求の原油増産にも応じる
内部対立
ビジネス上の人脈から「女帝(ツァリーナ)」の異名を持つロドリゲス氏は、石油産業など民間の重要部門を広く掌握し、現在は米国の支持も得ている。
カベジョ氏が率いているのは別の主要勢力だ。
与党・統一社会党(PSUV)の党首でもあるカベジョ氏は元軍人で、12年間にわたり国営テレビで毎週4時間の番組を持ってきた。マドゥロ氏拘束後には防弾チョッキを着て武装警護に囲まれ、「疑うことは裏切りだ」と叫ぶグループを先導する映像が流れた。
事情に詳しい関係者4人によると、トランプ政権の高官らはマドゥロ氏拘束作戦の数カ月前からカベジョ氏と接触。作戦後も連絡を取り合い、治安機関やコレクティーボによる反対派への攻撃を避けるよう警告していた。
チャベス氏を支持し投獄された経歴を持つカベジョ氏は、米国で起訴されており、身柄拘束に対して2500万ドルの懸賞金がかけられている。
これまでのところカベジョ氏はロドリゲス氏に融和的だ。二人は「非常に団結している」と述べ、ロドリゲス氏による15日の演説にも出席した。しかし両者の関係を知る関係者によると、カベジョ氏が依然としてロドリゲス氏の統治にとって最大の脅威だ。
首都カラカスでは治安部隊が神経をとがらせている。ロドリゲス氏の宣誓就任から数時間後、大統領官邸の外で短時間の対空砲火があり、米国による新たな攻撃ではないかと懸念された。実際には、警察と大統領警護隊の間の連絡ミスで、警護隊が警察のドローンを撃墜したものだったとされる。
ベネズエラは国全体がマドゥロ氏拘束の衝撃から立ち直れず、なお混乱状態にある。匿名を条件に語った3人の党員によると、一部地域では地元の社会主義党支部が党員に対し、近隣住民を監視し、マドゥロ氏失脚を祝っている者がいれば報告するよう求めている。
こうした緊張した環境下でロドリゲス氏は党内の忠誠派に対して、自分はマドゥロ氏を裏切った米国の操り人形ではないと納得してもらう必要がある。また、米国の攻撃以降、生活必需品の価格急騰に見舞われている経済を安定させ、数十年にわたるチャベス主義の統治の中で形成された、軍と結びついた広範な利権ネットワークをある程度掌握しなければならない。
ベネズエラは現役・予備役の兵力が米国の20分の1にすぎないが、将官・司令官が最大で約2000人と米国の2倍以上に達する。現役および退役の高官らは食料配給、原材料、国営石油会社PDVSAを掌握し、数十人の将軍が民間企業の取締役会に名を連ねている。
高官の多くは自らの裁量で「領地」を運営することが可能で、指揮下の兵士に巡回や検問を命じている。マドゥロ氏拘束以降、一部地域やカラカスでは治安機関の活動が活発になっている。
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