「よく来たね」...ジョン・レノン暗殺犯に会った記者が明かす、犯行に至った「引き金」とは
The Long And Winding Road
(左端から時計回りに)ジョージ・ハリスン(2001年死去)、レノン、リンゴ・スター、マッカートニー GEORGE RINHARTーCORBIS/GETTY IMAGES
<暗殺犯との面会で見えたのは、「怪物」ではなく「普通の男」だった。40年取材の果てに、犯行動機の核心が浮かび上がる>
このほど『ジョン・レノン 運命をたどる ヒーローはなぜ撃たれたのか』(講談社刊)を上梓したジャーナリストの青木冨貴子(左写真)はジョン・レノン暗殺犯であるマーク・デイヴィッド・チャップマンと妻のグローリアを事件直後から追い続け、2019年、米ニューヨーク州でチャップマン夫妻と面会を果たした。
【動画】ジョン・レノン暗殺の新事実...作家が執念の40年取材

レノンの死から40年近い時を経て、青木がたどり着いた「事件の真相」は何だったのか。(聞き手は長岡義博・本誌編集長)
──チャップマンと対面した時の印象は。
6年前の19年3月にようやく初めてニューヨーク州北西部のウエンデ刑務所に行って、所内のいろんな所を通り抜けて待っていたら、向こうから彼が歩いてきた。一瞬見つめ合ったんですよ。あ、と思って。
向こうも私のことを知っていたから、それで表情を和らげて、ニコッとして。手を出して「よく来たね」って。
──1980年の暗殺事件直後に広がったイメージは、がっちりとした、少し精神に障害のある人物というものだったと思いますが、そういう印象ではなかったですか。
全然違う。普通の60代ぐらいの男性です。話をしていると、それなりに愛想はいいし、よどみなく話すし、知的でもある。
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