最新記事
米政治

民主党の希望は「州知事」? 「勝てない州」で勝ち切る新リーダーたち

BLUE GOVS TO THE RESCUE

2025年12月18日(木)20時12分
アレックス・ルーハンデー(政治・文化担当)

来年の次期州知事選への立候補を既に表明しているプリツカーやウォルズはいずれも、選挙キャンペーン動画で税廃止・削減を実現したと強調。ニューヨーク、ぺンシルベニア、ミシガン各州の知事も同様だ。

「第1次トランプ政権時代の8年前と比べて、全国的知名度がある知事がはるかに増えている」と、民主党のストラテジストで、DGAの元広報責任者のジャレッド・リオポルドは本誌に語る。


マムダニが証明した切望

リオポルドによれば、ナンシー・ペロシ元下院議長やバイデンが引退した民主党は、新たなリーダーを迎える時期に来ている。州知事なら、州レベルでの実績を国家的繁栄のロードマップとして提供できる独特の信頼性があるという。

政策実行に当たって協力の必要がない州知事は「枠にとらわれずに」、斬新な手法で有権者を取り込むことに挑戦できると、リオポルドは語る。

そうした型破りな思考こそ、左派が切望しているものだろう。11月4日のニューヨーク市長選で、民主社会主義者を自称するゾーラン・マムダニが勝利したのがいい証拠だ。

「次期大統領選の民主党予備選挙で州知事出身の候補者が続出するなら、DGAでの10年間の取り組みが報われる」と、ミーハンドレイパーは言う。「民主党を未来に導く人物として適格なのは、州知事のはずだ。成果を出してきた実績があり、党派の垣根を越え、コミュニティーの全ての人とつながる存在なのだから」

【関連記事】
トランプの「強硬策」が生んだ皮肉...民主党有力州知事3人が存在感
自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が「慌てた理由」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豪ANZに罰金1.65億ドル、国債取引巡る不適切処

ビジネス

MUFG、空白地インドに本格進出 ノンバンク大手に

ビジネス

午後3時のドルは156円ちょうど付近、日銀利上げで

ワールド

26年ブラジル大統領選、ルラ氏が右派候補に勝利との
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中