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自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち

Shunned by Putin, Syria’s Ex-Dictator Lives in Isolation

2025年12月17日(水)18時00分
アミール・ダフタリ

今後政治の世界に戻れる?

アサドが突如シリアを離れたことは、側近や一族の間に激しい怒りを引き起こしたとされる。バッシャール・アサドの弟であるマーヘル・アル・アサドの友人は、「マーヘルは何日もバッシャールに電話をかけ続けたが、彼は出ようとしなかった。最後の最後まで宮殿にとどまり、他の人々の脱出を手助けしたのはバッシャールではなくマーヘルだった。バッシャールは自分のことしか考えていなかった」と語る。

一部の親族は、ロシアのフメイミム空軍基地からの入国を最初は拒否され、最終的に高位のロシア官僚の介入によってようやく出国を許可されたとも伝えられている。


モスクワに到着した後、家族は妻アスマ・アル・アサドの周囲に集結した。彼女は白血病の治療を受けており、ロシアの治安機関による管理下で実施された治療によって病状は安定した。

公的生活への復帰を試みる動きもあったものの、アサドは政治的・メディア上の活動を依然として禁じられている。エルブルス・クトラシェフ駐イラク・ロシア大使は、「アサドはロシアに住んでいるかもしれないが、政治活動に関与することはできない。メディアや政治的な活動に従事する権利は一切ない」と言う。

現在アサドは、家族と過ごす時間や私生活の再建に焦点を置いている。彼の子どもたちはモスクワでの生活に順応しつつあり、22歳の娘、ゼイン・アル・アサドは最近、ロシアの名門大学であるモスクワ国際関係大学(MGIMO)を卒業した。息子のハーフィズ・アル・アサドは、SNSからほぼ姿を消しており、公的な場への露出は控えめだ。

観測筋によれば、アサドの行動は今後、個人的なものに限定される可能性が高く、シリアや地域政治において影響力を取り戻す見込みはほとんどない。

アサド政権下では化学兵器の使用や人権侵害など、多くの「悪行」が行われていたと報告されていた。アサドの「末路」は、その報いなのかもしれない。

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