最新記事
米政治

トランプの「強硬策」が生んだ皮肉...民主党有力州知事3人が存在感

2025年12月15日(月)16時40分

<トランプ氏を止めろ>

3人の州知事の動きは、昨年の大統領選で党候補のカマラ・ハリス氏がトランプ氏に敗北し、共和党が議会上下両院を制した後、党勢回復が求められていた民主党内に安堵(あんど)と興奮をもたらした。

ヒューストンでニューサム氏が演説した集会に参加したハリス郡民主党委員長を務めるマイク・ドイル氏は、聴衆がこれまでにないほど「熱狂的」だったと描写。中間選挙やその先の次期大統領・議会選で民主党が勢力を強めたいと考えているテキサスをニューサム氏が訪れたことを評価した。

ドイル氏はインタビューで「28年大統領選に向けた事実上の選挙戦をヒューストンで開始するというニューサム氏の決断は、民主党が必要としている攻撃的で数学的に洗練された考え方を現場の多くの人々に示した」と述べた。

複数の民主党ストラテジストは、自らの立ち位置を確定し、トランプ氏の時代にどのような対抗軸を打ち出すかになお苦戦している同党に対する多くの党員の不満を、これらの州知事が巧みに取り込みつつあると分析する。

民主党系世論調査員のコーネル・ベルチャー氏は「民主党員に世論調査で、選挙で選ばれた公職者に最も望むことは何かと聞けば、その答えはトランプ氏(の暴走)の抑制だ」と説明した。

ベルチャー氏の目には、今の状況がオバマ元大統領の政治家としての躍進に重なるようだ。当時ほぼ無名だったオバマ氏は、イラク戦争への反対を通じて当時のジョージ・W・ブッシュ政権下で全国的な注目を集めるようになった。

これら民主党知事の知名度が上がるとともに、トランプ氏は「口撃」を強めている。ニューサム氏については「ニュースカム(知事の名前とクズを意味する英語を組み合わせた悪口)」とののしり、プリツカー氏は「狂人」「デブ」などと呼んでいるほか、ムーア氏は犯罪を抑制できていないと指摘した。

ホワイトハウスはロイターのコメント要請に対して共和党全国委員会(RNC)に問い合わせるよう求め、RNCはニューサム氏やプリツカー氏ら民主党の州知事は主流有権者とかけ離れた位置にいるとの見方を示した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日産が九州工場で1週間約1200台減産へ、中東情勢

ワールド

UAE、原油生産が半分以下に ホルムズ海峡封鎖で油

ワールド

アフガン首都病院にパキスタンの空爆、400人死亡=

ワールド

英、若年層の雇用促進策発表 10億ポンド規模
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中