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兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?

RUSSIA’S DEATHONOMICS

2025年12月5日(金)15時59分
アレクセイ・コバリョフ(ジャーナリスト)

「生きたければ命を売れ」

だが、そんな血塗られた富は持続可能ではないし、世の中を変えていく力でもない。貧富の格差が縮まる気配はなく、政府は深刻な貧困にも人口減にも対処せず、兵士の遺族に人生を一変させるほどの大金を支給するのみ。そこに出現するのは人の命を商品化し、人の死を投資の対象とする恐怖の市場だ。

戦争経済で潤う中間層の出現は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が自国の辺境地帯と結んだ悪魔的な契約の結果でもある。ずっと無視してきたツケを払う形で辺境地帯に莫大な軍事予算をつぎ込んで一時的な戦争景気を演出し、一方で人の命と引き換えに遺族の暮らしを楽にしてやる。そんな契約だ。

しかし、この戦争が(どんな形であれ)終わったらどうなるか。戦場で心に傷を負った兵士たちが帰郷しても、戦争景気は終わっている。戦時中に支給された給与は使い果たしているし、故郷で得られるのはせいぜい低賃金の仕事のみ。

そんな状況は深刻な社会不安と危機を招きかねない。政府に幻滅し、怒りを抱えた兵士たちは、この戦争で苦難を強いられ、あるいはこの無益で無駄な戦争に心の底では反対していた反政府派の陣営に加わるかもしれない。

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