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兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?

RUSSIA’S DEATHONOMICS

2025年12月5日(金)15時59分
アレクセイ・コバリョフ(ジャーナリスト)

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兵士とその家族を支援する団体の事務所を訪れたプーチン大統領(中央、2023年) ILYA PITALEVーKREMLINーSPUTNIKーREUTERS

役所の住民登録担当者が偽装結婚を優先的に処理することもある。相続人がいそうもない孤独な男性を狙えるように、個人情報を漏らす警察官もいる。政府系の戦場記者によると、突撃を行う歩兵の生存期間は平均で12日ほど。戦死者の供給に不足が生じることはない。

ある悪名高い事例で、シベリア西部のニジネバルトフスク出身の女性は次々に4度の結婚を重ねた。相手の男は、むろん全員が戦死。この女は地元の警察官1人を含む共犯者3人と共に詐欺容疑で起訴された。稼いだ金は総額で約1500万ルーブル、その地方では平均年収の15倍にもなり得る金額だという。

貧困を生きる合理的計算

戦場で命を落とした軍人の妻や遺児に弔慰金を給付するのは昔ながらの慣習だ。しかしそういう報酬を期待して男たちを戦場に送り出すという風潮は、ロシアでも今度の戦争が始まって以来のことだ。

「ブラックウィドウ」現象はロシアの異様な戦時経済の産物だ。この戦争が始まって以来、国家予算の多くが軍事部門に振り向けられ、福祉などへの支出は減る一方だ。

中西部クルガン州のように軍事産業が集積する地域と、北カフカスのイングーシ共和国のような最貧地域との経済格差はもともと大きかった。そこへ兵器や弾薬の工場で報酬の高い仕事が増えたため、格差は一段と広がった。

しかも最貧地域の失業率は高く、運よく職にありついても賃金水準は低い。だから家族を養うには戦場で死ぬのが一番。そう考える男が増えている。

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