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ルーブル強盗が示した「ヨーロッパ崩壊」のシナリオ...「穏やかなナショナリズム」に期待される役割とは?

Louvre Heist Encapsulates a Western Culture That Will Not Defend Itself | Opinion

2025年10月29日(水)19時02分
ジョシュ・ハマー(本誌シニアエディター、保守派ポッドキャスト司会者)

虚無感、少子化、そして漠然とした不満が横たわる現在の大西洋をまたぐ文化潮流の中で、各国の政治指導者が自国を力強く擁護し、その未来に対する説得力あるビジョンを示すことの重要性はかつてなく高まっている。

宗教的信念の誠実さや、宗教共同体が持つ実利的な価値は、人生に意味と安定をもたらす方法として長年にわたり有効であることが証明されてきた。しかし、それに加えて、穏やかなナショナリズム(anodyne nationalism)にも果たすべき役割がある。

宗教的信念に次いで、人々の結婚して子供を持とうとする気持ちを最も強く後押しするのは、自国への誇りとその未来への信頼だろう。

もし自らの国を憎み、それが悪であると考えていたり、あるいはその未来が暗澹たるものだと信じていたりするなら、新たな命をこの世界にもたらすという大きな投資に踏み出す気にはなれないはずだ。「地獄のようなディストピアの中で子どもを育てる意味はあるのか?」──そう結論づけても無理はない。

トランプの政治的成功は、この現象を鋭く見抜いていた点に一因がある。特定の政策の是非についてはいくらでも議論の余地があるだろう。だが、彼の代名詞ともいえるスローガン「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」は、ある否定しがたい真実を突いている。

すなわち、アメリカはさまざまな理由で衰退していたが、今その事実を理解し、立て直そうとするリーダーがいる──というメッセージだ。ヨーロッパ各国にとって、トランプの例から学べることは多い。

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