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中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?

Rare Earths, Common Greed

2025年10月24日(金)08時00分
デビー・チャン(オーストラリア国立大学中華世界研究センター講師)
中国レアアース輸出規制の余波 REUTERS

中国レアアース輸出規制の余波 REUTERS

<中国の輸出規制強化で浮上する代替調達先候補には深刻な問題が付きまとう>


▼目次
採掘現場急増の背景
地元を襲う環境コスト

レアアース精錬市場の90%を占める中国は、その支配的地位のおかげで、テクノロジー産業・グリーンエネルギー移行分野における構造的優位を武器に変えることができる。

中国商務省は10月9日、レアアース輸出規制の強化を発表。対抗措置として、トランプ米政権は中国に追加関税100%を課す意向を表明した。

米中貿易対立が加速するなか、供給の多様化をめぐる議論が起きている。選択肢に挙がるのがミャンマーだ。だが中国の市場独占に対抗する戦略は、レアアースの国際サプライチェーンに刻み込まれた重層的な不公正に立ち向かうものでなければならない。

ミャンマーの事例が明らかにするのは、レアアース採掘に付きまとう先進国と途上国、中国とミャンマー、地元の権力者と採掘現場である地域社会の間の不平等だ。

2011年に始まった民政移管が、21年2月の軍事クーデターで途絶えて以来、ミャンマーの対中レアアース輸出は急増している。中国税関当局によれば、その額は20年には3億8800万ドルだったが、23年は14億ドルに達した。

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